亜急性硬化性全脳炎（ＳＳＰＥ）多段階変異発症モデルの構築

• 研究課題/領域番号: 24591589
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 小児科学
• 研究機関: 長浜バイオ大学
• 研究代表者: 伊藤 正恵 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (10201328)
• 研究分担者: 堀田 博 神戸大学, 大学院医学研究科, 教授 (40116249)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円); 2014年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2013年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円); 2012年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
• キーワード: 麻疹ウイルス / SSPEウイルス / 神経病原性 / 細胞融合 / Fusion蛋白

研究成果の概要

麻疹ウイルスから亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis: SSPE)ウイルスへの変異過程の分析を基に発症機構を解明する目的で、SSPE発症6週間後の5歳患児から分離したSSPEウイルスKobe-1株について解析した。神経病原性の発現にはウイルスの細胞融合能の亢進が深く関わり、そのためFおよびM蛋白質の変異が必須であった。またH蛋白質の変異はこれを促進した。FおよびH蛋白質上には、逆にウイルスの細胞融合能を抑制して増殖を制限する変異が見出され、これらの変異は麻疹ウイルスが神経病原性を獲得するまで患者体内で潜伏感染することに関連すると考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] Intramolecular complementation of measles virus fusion protein stability confers cell-cell fusion activity at 37 °C. (2015)
  • 著者名/発表者名: Satoh, Y., Hirose, M., Shogaki, H., Wakimoto, H., Kitagawa, Y., Gotoh, B., Takahashi, K. and Itoh, M.
  • 雑誌名: FEBS Lett. 巻: 589 号: 1 ページ: 152-158
  • DOI: 10.1016/j.febslet.2014.11.040
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 麻疹ウイルス感染とSSPE (2015)
  • 著者名/発表者名: 伊藤正恵、堀田博
  • 雑誌名: 化学療法の領域 巻: 31
• [雑誌論文] An anti-interferon activity shared by paramyxovirus C proteins: Inhibition of Toll-like receptor 7/9-dependent alpha interferon induction. (2014)
  • 著者名/発表者名: Mayu Yamaguchi, Yoshinori Kitagawa, Min Zhou, Masae Itoh, and Bin Gotoh
  • 雑誌名: FEBS letters 巻: 588 号: 1 ページ: 28-34
  • DOI: 10.1016/j.febslet.2013.11.015
  • 査読あり
• [雑誌論文] Human Parainfluenza Virus Type 2 V Protein Inhibits TRAF6-Mediated Ubiquitination of IRF7 To Prevent TLR7- and TLR9-Dependent Interferon Induction. (2013)
  • 著者名/発表者名: Kitagawa Y, Yamaguchi M, Zhou M, Nishio M, Itoh M, Gotoh B.
  • 雑誌名: J. Virol. 巻: 87 号: 14 ページ: 7966-7976
  • DOI: 10.1128/jvi.03525-12
  • 査読あり
• [雑誌論文] Masae Itoh. F-actin modulates measles virus cell-cell fusion and assembly by altering the interaction between the matrix protein and the cytoplasmic tail of hemagglutinin (2013)
  • 著者名/発表者名: Hiroshi Wakimoto, Masakatsu Shimodo, Yuto Satoh, Yoshinori Kitagawa, Kaoru Takeuchi, Bin Gotoh
  • 雑誌名: Journal of Virology 巻: 87 号: 4 ページ: 1974-1984
  • DOI: 10.1128/jvi.02371-12
  • 査読あり
• [雑誌論文] Expeditious neutralization assay for human metapneumovirus based on a recombinant virus expressing Renilla luciferase (2013)
  • 著者名/発表者名: Min Zhou, Yoshinori Kitagawa, Mayu Yamaguchi, Chika Uchiyama, Masae Itoh, Bin Gotoh.
  • 雑誌名: Journal of Clinical Virology 巻: 56 号: 1 ページ: 31-36
  • DOI: 10.1016/j.jcv.2012.09.014
  • 査読あり
• [雑誌論文] Capture of Influenza Viruses and Prevention of Their Infection by Coral Mineral Powder (Sango Powder) (2012)
  • 著者名/発表者名: Kiyoshi Tachiki, Mika Kuramoto, Misuzu Kaneko, Mayuko Nawa, Yusuke Niwa, Masae Itoh
  • 雑誌名: Biocontrol Science 巻: 17 ページ: 17-25
  • 査読あり
• [学会発表] SSPEウイルスKobe-1株F蛋白の細胞融合に関わる変異の解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 佐藤友人、樋口遥、姜大鵬、西川大智、正垣博子、脇本浩史、北川善紀、後藤敏、堀田博、伊藤正恵
  • 学会等名: 第62回日本ウイルス学会（横浜）
  • 発表場所: パシフィコ横浜 会議センター
  • 年月日: 2014-11-10 – 2014-11-12
• [学会発表] Nedd4の麻疹ウイルス粒子形成促進作用とそのメカニズム (2014)
  • 著者名/発表者名: 脇本浩史、鈴木翔大、森田健介、佐藤友人、正垣博子、北川善紀、後藤敏、伊藤正恵
  • 学会等名: 第62回日本ウイルス学会（横浜）
  • 発表場所: パシフィコ横浜 会議センター
  • 年月日: 2014-11-10 – 2014-11-12
• [学会発表] センダイウイルスCタンパク質によるJAK-STAT経路阻害機構の再考 (2014)
  • 著者名/発表者名: 北川善紀、山口まゆ、渡邊摩耶、伊藤正恵、後藤敏
  • 学会等名: 第62回日本ウイルス学会（横浜）
  • 発表場所: パシフィコ横浜 会議センター
  • 年月日: 2014-11-10 – 2014-11-12
• [学会発表] 麻疹ウイルスF蛋白のプロテアーゼ感受性決定要因 (2013)
  • 著者名/発表者名: 佐藤友人、正垣博子、廣瀬充宏、脇本浩史、高橋健一、北川善紀、竹内薫、後藤敏、伊藤正恵
  • 学会等名: 第61回日本ウイルス学会
  • 発表場所: 神戸国際会議場（神戸）
• [学会発表] SSPEウイルスKobe-1株F蛋白の細胞融合に関わる変異の解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 樋口遥、姜大鵬、脇本浩史、佐藤友人、堀田博、伊藤正恵
  • 学会等名: 第61回日本ウイルス学会
  • 発表場所: 神戸国際会議場（神戸）
• [学会発表] 形質細胞様樹状細胞のIFN-α産生とヒトメタニューモウイルス (2013)
  • 著者名/発表者名: 北川善紀、山口まゆ、周敏、伊藤正恵、後藤敏
  • 学会等名: 第61回日本ウイルス学会
  • 発表場所: 神戸国際会議場（神戸）
• [学会発表] ヒトメタニューモウイルスのpH依存性細胞融合とウイルス侵入様式 (2013)
  • 著者名/発表者名: 周敏、北川善紀、山口まゆ、伊藤正恵、後藤敏
  • 学会等名: 第61回日本ウイルス学会
  • 発表場所: 神戸国際会議場（神戸）
• [学会発表] 光触媒酸化チタン合成砂の寄生虫卵、細菌およびウイルス不活化効果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 小川敏雄、宇仁茂彦、伊藤正恵
  • 学会等名: 平成25年度第40回日本防菌防黴学会年次大会
  • 発表場所: 千里ライフサイエンスセンター（大阪）
• [学会発表] 検疫用迅速高感度なインフルエンザウイルス検査技術の開発 (2012)
  • 著者名/発表者名: 白井伸明、岡田俊樹、武居修、和田昭裕、野坂江美、井上有香、清水華子、三輪正直、伊藤正恵、長谷川慎
  • 学会等名: 第85回日本生化学会大会
  • 発表場所: 福岡国際会議場
• [学会発表] 麻疹ウイルス感染様式の温度依存性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 脇本浩史、閻東怡、佐藤友人、竹内薫、北川善紀、後藤敏、伊藤正恵
  • 学会等名: 第60回日本ウイルス学会
  • 発表場所: 大阪国際会議場
• [学会発表] 麻疹ウイルスF蛋白のプロテアーゼ感受性決定領域 (2012)
  • 著者名/発表者名: 佐藤友人、廣瀬充宏、脇本浩史、高橋健一、北川善紀、後藤敏、伊藤正恵
  • 学会等名: 第60回日本ウイルス学会
  • 発表場所: 大阪国際会議場
• [学会発表] TLR7/9依存性インターフェロン産生抑制におけるV蛋白質とTRAF6の相互作用の重要性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 北川善紀、山口まゆ、小松孝行、周敏、竹内健司、西尾真智子、伊藤正恵、後藤敏
  • 学会等名: 第60回日本ウイルス学会
  • 発表場所: 大阪国際会議場
• [学会発表] パラミクソウイルスC蛋白質とIRF7依存性インターフェロン産生シグナル (2012)
  • 著者名/発表者名: 山口まゆ、北川善紀、周敏、小松孝行、竹内健司、伊藤正恵、後藤敏
  • 学会等名: 第60回日本ウイルス学会
  • 発表場所: 大阪国際会議場
• [学会発表] ヒトメタニューモウイルス中和抗体価迅速測定法の開発 (2012)
  • 著者名/発表者名: 周敏、北川善紀、内山知佳、山口まゆ、伊藤正恵、後藤敏
  • 学会等名: 第60回日本ウイルス学会
  • 発表場所: 大阪国際会議場
• [学会発表] インフルエンザウイルスゲノムに存在する宿主適応に関係した連続塩基の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 岩崎裕貴、和田健之介、阿部貴志、伊藤正恵、池村淑道
  • 学会等名: 第60回日本ウイルス学会
  • 発表場所: 大阪国際会議場
• [学会発表] RNAウイルスの宿主依存機構を知るための宿主RNAとの類似領域の検出 (2012)
  • 著者名/発表者名: 岩崎裕貴、秋葉太貴、小倉歩、阿部貴志、和田健之介、伊藤正恵、池村淑道
  • 学会等名: 第14回日本RNA学会年会
  • 発表場所: 東北大学百周年記念会館
• [学会発表] 人獣共通感染ウイルスゲノム配列の宿主依存性に関わる特徴抽出法の開発とそれを用いたウイルスゲノム配列の変化方向予測 (2012)
  • 著者名/発表者名: 岩崎裕貴、秋葉太貴、小倉歩、阿部貴志、和田健之介、伊藤正恵、池村淑道
  • 学会等名: 第1回人獣共通感染症研究拠点シンポジウム
  • 発表場所: 北海道大学獣医学部講堂