慢性心不全は心疾患末期の状態像であり、急性増悪を繰り返し、慢性的に経過する。このような疾患を患う慢性心不全患者が感じている身体感覚に注目し、彼らがそれをどのように経験しているのか、患者の語りを解釈することで当事者の視点より明らかにすることが本研究の目的である。 今回は、本研究の第一段階として、患者への面接に先駆け、国内の先行研究において、身体疾患を有する患者の「身体感覚」がどのように捉えられているのかを検討した。具体的には、医学中央雑誌Web版を用いて、2013年3月までの文献を対象として、「身体感覚」の用語を含む文献を検索した。この際、原著論文および看護文献を指定した。検索された文献から、「精神疾患を有する患者、妊産婦、看護師、看護学生を対象とした文献を除く」、「身体感覚に焦点をあてた記述が含まれていない文献を除く」を選定条件として、分析対象文献を抽出し、その内容を分析した。分析した結果、二つの視点から「身体感覚」を捉えている傾向がうかがえた。
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