研究課題
基盤研究(C)
この研究では、近代日本において「越境」――国境をこえて「内」から「外」に向かう動き――がもっていた意味、具体的には、明治以降の知識人による海外体験の意味を考察する。その際に重要なのは、事実としての体験と表現としての言語様式のレベルを区別することである。体験はきわめて多様な要素から成っているが、それが一定の言語様式のもとで表現されることによって、意識的・無意識的に言語的な加工がほどこされ、それが固定されると、海外体験を解釈する一定の文化的フィルターとなった。たとえば、紀行文などのジャンルの作品においては、海外生活という異質な経験を紹介することが、ナショナルな感情を吐露する回路となった。
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