この研究では,近代日本の小学校内に置かれていた学校内神社(神祠)の調査を行った。 調査の結果,まず,1930年代後半に神社協会(内務省内)が学校内神社の全国調査を実施していたことが判明した。その調査では,所在校(約400件)・祭神・関連行事等が報告されている。その約400件は全国各地に点在しており,特に国の指示などはなかったものと考えられる。 その結果を踏まえ,各学校内神社が如何に地域の人々の要求に応えるものだったかを調査し,学校内神社は学校と地域住民の接点というべきもので,地域住民の教育への期待や願いが込められていたことを,数件の事例に即して明らかにした。
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