研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究では、高温溶融塩中においてダイヤモンドを常圧で電解合成することを目指し、実験を行った。溶融塩は、650℃の溶融LiCl-KClに種々の濃度の水酸化カリウムおよび炭酸カリウムを添加した浴を用い、それぞれの添加濃度および電解電位が電析炭素の形態や結合状態に及ぼす影響を調査した。その結果、1.0 V (vs. Li+/Li)付近より卑な電位で炭素が析出し、1.3 V付近より卑な電位で水素が発生することが示唆された。また、0.8-1.2 Vの範囲において電解を行い、得られた試料を分析した結果、ダイヤモンドの形成は確認できなかったが、sp3混成軌道の炭素の割合が高くなる条件が明らかになった。