アパタイト型結晶構造を有するランタンシリケート(La10(SiO4)6O3)について、そのイオン伝導メカニズムを定量的に解明するため、第一原理計算を用いた理論解析を行った。まず格子間酸素イオンの最安定・準安定サイトを探索し、それらのサイト間を経由して伝導していくメカニズムを解析した。イオン伝導メカニズムとしては、格子間酸素イオンが格子間をすり抜ける格子間機構ではなく、酸素イオン同士の連動による準格子間機構がエネルギー的に安定であることがわかった。このようなイオン伝導機構は従来報告に無いメカニズムであり、アパタイト型酸素イオン伝導体の高速なイオン伝導を説明するものと考えられる。
|