植物内生菌のメタゲノム・メタトランスクリプトーム解析と病害防除への展開

• 研究課題/領域番号: 24658037
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 植物病理学
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 高橋 英樹 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20197164)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2014年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2013年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2012年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
• キーワード: 内生菌 / 根圏微生物 / 植物 / メタゲノム / 遺伝子 / 植物病理学

研究成果の概要

イネ有機栽培の育苗培土には、苗病害の発生を抑制する効果が存在する。有機育苗培土に含まれる微生物と、苗病害抑制効果との関連を解析するため、複数のイネ有機栽培農家の育苗培土懸濁液から培養法により細菌を単離した。個々の単離菌株培養液を施用した市販の慣行培土には、もみ枯細菌病などを抑制する菌株が存在した。さらに、培土中には難培養性微生物も存在することから、有機培土に含まれる微生物相の解析したところ、有機培土では、微生物種の豊富さと均等性が慣行培土に比べ、有機培土に共通して、明らかに高い傾向が認められた。したがって、有機培土に共通の特徴として、慣行培土よりも高い微生物多様性をもつ可能性が考えられた。

研究成果

• [雑誌論文] Involvement of vascular hypersensitive response in quantitative resistance to Ralstonia solanacearum on tomato rootstock cultivar LS-89 (2016)
  • 著者名/発表者名: K. Nakaho, S. Seo, K. Ookawa, S. Ando, Y. Kanayama, S. Miyashita and H. Takahashi
  • 雑誌名: Plant Pathology 巻: 65
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Impact of organic crop management on suppression of bacterial seedling diseases in rice. (2014)
  • 著者名/発表者名: Ando, S., Ito, T., Kanno, T., Kobayashi, T., Morikawa, T., Honda, K., Tsushima, S. and Takahashi, H.
  • 雑誌名: Organic Agriculture 巻: 4 ページ: 187-196
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Suppressive potential of Paenibacillus strains isolated from the tomato phyllosphere against Fusarium crown and root rot of tomato. (2014)
  • 著者名/発表者名: Sato, I., Yoshida, S., Iwamoto, Y., Aino, M., Hyakumachi, M., Shimizu, M., Takahashi, H., Ando, S. and Tsushima, S.
  • 雑誌名: Microbes and Environments 巻: 29 ページ: 168-177
  • NAID: 130004057179
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Induction of systemic resistance against Cucumber mosaic virus in Arabidopsis thaliana by Trichoderma asperellum SKT-1. (2013)
  • 著者名/発表者名: Elsharkawy, M.M., Shimizu, M., Takahashi, H., Ozaki, K. and Hyakumachi, M.
  • 雑誌名: Plant Pathology Journal 巻: 29 ページ: 193-200
  • 査読あり
• [雑誌論文] Bacillus thuringiensis suppresses bacterial wilt disease caused by Ralstonia solanacearum with systemic induction of defense-related gene expression in tomato. (2013)
  • 著者名/発表者名: Hyakumachi et al.
  • 雑誌名: Microbes and Environments 巻: 28 ページ: 128-134
• [雑誌論文] The plant growth-promoting fungus Fusarium equiseti and the arbuscular mycorrhizal fungus Glomus mosseae induce systemic resistance against Cucumber mosaic virus in cucumber plants. (2012)
  • 著者名/発表者名: Elsharkawy et al.
  • 雑誌名: Plant and Soil 巻: 361 ページ: 397-409
• [学会発表] 次世代シークエンサーを用いたイネ有機栽培育苗培土の微生物多様性解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 高橋英樹・松下裕子・伊藤豊彰・小林 隆・橋本知義・宮下脩平・守川俊幸・吉田重信・對馬誠也・安藤杉尋
  • 学会等名: 平成27年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 宮城県、仙台市、東北大学川内キャンパス
  • 年月日: 2015-09-28
• [学会発表] 異なる有機栽培育苗土の微生物コミュニティーによるイネもみ枯細菌病抑制効果の比較 (2015)
  • 著者名/発表者名: 安藤杉尋・鎗山純・小林隆・吉田重信・伊藤豊彰・宮下脩平・高橋英樹
  • 学会等名: 平成27年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 宮城県、仙台市、東北大学川内キャンパス
  • 年月日: 2015-09-28
• [学会発表] イネ有機栽培育苗土の苗いもち抑制効果の検討 (2015)
  • 著者名/発表者名: 笠原雅美・宮下脩平・高橋英樹・安藤杉尋
  • 学会等名: 平成27年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 宮城県、仙台市、東北大学川内キャンパス
  • 年月日: 2015-09-28
• [学会発表] イネ種子由来細菌のイネもみ枯細菌病菌およびイネ苗立枯細菌病菌に対する抗菌活性の解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 石宮純・吉田重信・對馬誠也・宮下脩平・高橋英樹・安藤杉尋
  • 学会等名: 平成27年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 宮城県、仙台市、東北大学川内キャンパス
  • 年月日: 2015-09-28
• [学会発表] イネ有機栽培育苗土から分離したPseudomonas sp.施用によるイネ幼苗における防御関連遺伝子の発現解析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 鎗山純・吉田重信・對馬誠也・宮下脩平・高橋英樹・安藤杉尋
  • 学会等名: 平成27年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 宮城県、仙台市、東北大学川内キャンパス
  • 年月日: 2015-09-28
• [学会発表] Seed-disinfection using plasma irradiation for suppression of rice diseases. (2014)
  • 著者名/発表者名: Ando, S. Ochi, A., Tsushima, S., Konishi, H., Kaneko, T. and Takahashi, H.
  • 学会等名: 1st E-MRS/MRS-J Bilateral Symposia
  • 発表場所: Yokohama, Japan
  • 年月日: 2014-12-10 – 2014-12-12
  • 招待講演
• [学会発表] イネ種子由来細菌によるイネもみ枯細菌抑制効果の解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 石宮純・對馬誠也・吉田重信・高橋英樹・安藤杉尋
  • 学会等名: 平成26年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 盛岡市
  • 年月日: 2014-09-24 – 2014-09-25
• [学会発表] 有機栽培育苗土由来土壌細菌の混合施用によるイネもみ枯細菌病抑制効果の検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 鎗山純・對馬誠也・吉田重信・伊藤豊彰・高橋英樹・安藤杉尋
  • 学会等名: 平成26年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 盛岡市
  • 年月日: 2014-09-24 – 2014-09-25
• [学会発表] イネ有機栽培育苗培土におけるもみ枯細菌病抑制と土壌理化学性および微生物多様性の関係 (2014)
  • 著者名/発表者名: 高橋英樹・小林 隆・伊藤豊彰・松下裕子・對馬誠也・橋本知義・本多健一郎・安藤杉尋
  • 学会等名: 平成26年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 盛岡市
  • 年月日: 2014-09-14 – 2014-09-25
• [学会発表] 有機栽培イネ細胞間隙に由来する微生物の解析と病害防除 (2012)
  • 著者名/発表者名: 高橋英樹・安藤杉尋
  • 学会等名: 有機農業研究者会議2012
  • 発表場所: 茨城県つくば市、文部科学省研究交流センター国際会議場
  • 招待講演
• [学会発表] Bacillus thuringiensis subsp. sotto を施用したトマトの各組織におけるPR-1 遺伝子発現の比較解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 高橋英樹・荒川竜行・西村光由・安藤杉尋・吉田重信・對馬誠也・百町満朗
  • 学会等名: 平成24年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 鶴岡市、山形大学農学部
• [学会発表] イネ有機栽培育苗土の病害抑制効果の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 安藤杉尋・對馬誠也・吉田重信・小林隆・伊藤豊彰・長谷修・生井恒雄・高橋英樹
  • 学会等名: 平成24年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 鶴岡市、山形大学農学部
• [学会発表] 昆虫病原性糸状菌Paecilomyces tenuipesおよびBeauveria bassianaの培養濾液を施用したトマトにおける青枯病抑制効果と防御応答遺伝子発現の解析
  • 著者名/発表者名: 高橋英樹・安藤杉尋・清水将文・百町満朗・岩本 豊・相野公孝・松浦克成・浅野峻介・平山喜彦・對馬誠也・吉田重信
  • 学会等名: 平成25年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 秋田市
• [学会発表] イネ有機育苗培土およびコンポスト施用による苗病害抑制の解析
  • 著者名/発表者名: 菅野 剛・安藤杉尋・伊藤豊彰・對馬誠也・守川俊幸・本多健一郎・中井 裕・高橋英樹
  • 学会等名: 平成25年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 秋田市
• [学会発表] Bacillus thuringiensis を施用したトマト主根と側根組織における青枯病細菌の分布と網羅的遺伝子発現解析
  • 著者名/発表者名: 和田拓己・安藤杉尋・吉田重信・對馬誠也・百町満郎・高橋英樹
  • 学会等名: 平成25年度日本植物病理学会東北部会
  • 発表場所: 秋田市
• [図書] 有機農業研究者会議2012資料集 (2012)
  • 著者名/発表者名: 高橋英樹・安藤杉尋
  • 出版者: 「有機農業研究者会議2012」実行委員会事務局