研究概要 |
キャピラリー・バリア(CB)は,砂層とその下に礫層を敷設した単純な土層システムをいう。地表面から浸潤してきた土中水は,土の不飽和水分特性の違いにより,両土層の境界面に沿ってうまく遮断される。危険な廃棄物,あるいは低レベルの放射性廃棄物を安全に隔離するための盛土式廃棄物貯蔵施設を提案した。この施設は,降雨による浸潤水を低減するとともに,貯蔵廃棄物を浸潤してくる土中水を排水するために,上部CB被覆層と底部CB排水層を敷設する構造となっている。盛土式廃棄物貯蔵施設の構造設計に必要となるCBの限界長を室内土槽試験で決定し,この貯蔵施設を試験施工した。長期にわたって盛土内の土中水分量を測定し,野外条件下におけるCBの優れたかつ安定した水分遮断機能を確認した。
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