研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究では、ES/iPS細胞から樹状細胞、特に形質細胞様樹状細胞(pDC)への分化誘導法の確立を行い、それを用いた新たな細胞ワクチン療法に向けた基盤技術の開発を目標としている。骨髄ストロマ細胞株であるOP9細胞などの支持細胞を用いることにより、マウスiPS細胞から全ての血液細胞の元となる血液前駆細胞を誘導可能であることを明らかにした。また、血液前駆細胞からGM-CSF や Flt3L 等のサイトカインを作用させることにより、樹状細胞を分化誘導することが可能であった。ヒトiPS細胞から血液・免疫細胞を誘導するには、ヒトiPS細胞から血液前駆細胞へ分化誘導する必要がある。ヒトES細胞あるいはiPS細胞から血液前駆細胞を得る方法として、骨髄ストロマ細胞株であるOP9細胞などの支持細胞との共培養法や胚葉体形成法などが汎用されている。そこでまず、VEGF存在下でヒトiPS細胞と支持細胞とを共培養することで血液前駆細胞への分化誘導を試みた。その結果、ヒトiPS細胞由来のコロニーが隆起してできた嚢状構造の内部に血球様の球状細胞が出現するのが確認された。この血球様細胞は、血液前駆細胞のマーカーであるCD34やCD43を発現する細胞であることがフローサイトメトリー解析により確認され、この血液前駆細胞を利用することにより、ヒト樹状細胞もiPS細胞から分化誘導できる可能性が示された。
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Stem Cells Dev
巻: 22 ページ: 726-734
Stem Cells Dev.
巻: 22 号: 5 ページ: 726-734
10.1089/scd.2012.0339
巻: 21 ページ: 3381-3390
http://www.nibio.go.jp/Proj3HP/index.html
http://www.nibio.go.jp/Proj3HP/studies.html