研究概要 |
ダイオキシン(2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin, TCDD)による肝臓のロイコトリエンB4 (LTB4)の蓄積についてラットおよびマウスでの研究を行った。研究の結果、この変化の機構は、前駆体合成酵素の発現増加と前駆体を別経路に導く酵素の低下によると結論された。また、LTB4増加には芳香族炭化水素受容体の関与が示唆された。 LTB4は好中球を誘引し、それに高発現するmyeloperoxidase (MPO)から遊離される因子を介して細胞障害に関わる。これと符合して、TCDD処理ラット肝では、好中球集積によるとみられるMPOの有意な増加が認められた。
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