炎症性サイトカイン受容体の糖鎖修飾を標的とした新規抗炎症治療法の開発

• 研究課題/領域番号: 24659183
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 実験病理学
• 研究機関: 日本医科大学
• 研究代表者: 田中 信之 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80222115)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2014-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2013年度)
• 配分額: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円); 2013年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2012年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
• キーワード: 炎症性疾患 / 炎症性サイトカイン / 炎症性サイトカイン受容体 / 糖鎖修飾 / シグナル伝達 / 抗炎症療法 / 2-Deoxy-D-glucose / 炎症 / 発癌抑制 / 炎症性腸疾患 / 関節リウマチ / 抗炎症治療 / 関節炎 / 脳梗塞 / マクロファージ

研究概要

我々は、解糖系阻害剤2-Deoxy-D-glucose (2-DG)が、解糖系の阻害ではなく、マンノース代謝からタンパクの糖鎖修飾（N-結合型鎖）を抑制することで、炎症性サイトカイン受容体の糖鎖修飾を抑制し、そのことで炎症反応が抑えられるということを明らかにした。実際に、2-DGやtunicamycin等の糖鎖修飾阻害剤を投与することで、細胞及びマウス個体でのIL-6やTNF-αの受容体への結合と応答が阻害された。更に、炎症性腸疾患、敗血症、関節リウマチ等のマウスモデルの発症を抑制する結果を得た。よって、糖鎖修飾を標的として炎症性疾患を効果的に治療することが可能であると考えられた。

研究成果

• [雑誌論文] p53-mediated activation of the mitochondrial protease HtrA2/Omi prevents cell invasion (2014)
  • 著者名/発表者名: Yamauchi S, Hou YY, Guo AK, Hirata H, Nakajima W, Yip AK, Yu CH, Harada I, Chiam KH, Sawada Y, Tanaka N, Kawauchi K.
  • 雑誌名: J Cell Biol 巻: 31 ページ: 1191-207
• [雑誌論文] Loss of p53 enhances NF-κB-dependent lamellipodia formation (2014)
  • 著者名/発表者名: Guo AK, Hou YY, Hirata H, Yamauchi S, Yip AK, Chiam KH, Tanaka N, Sawada Y, Kawauchi K.
  • 雑誌名: J Cell Physiol 巻: 229 ページ: 696-704
• [雑誌論文] Noxa determines localization and stability of MCL-1 and consequently ABT-737 sensitivity in small cell lung cancer (2014)
  • 著者名/発表者名: Nakajima W, Hicks MA, Tanaka N, Krystal GW, Harada H
  • 雑誌名: Cell Death Dis 巻: 5
• [雑誌論文] p53-mediated activation of the mitochondrial protease HtrA2/Omi prevents cell invasion. (2014)
  • 著者名/発表者名: Yamauchi S, Hou YY, Guo AK, Hirata H, Nakajima W, Yip AK, Yu CH, Harada I, Chiam KH, Sawada Y, Tanaka N, Kawauchi K.
  • 雑誌名: J Cell Biol 巻: 204 ページ: 1191-1207
  • 査読あり
• [雑誌論文] Loss of p53 enhances NF-κB-dependent lamellipodia formation. (2014)
  • 著者名/発表者名: Guo AK, Hou YY, Hirata H, Yamauchi S, Yip AK, Chiam KH, Tanaka N, Sawada Y, Kawauchi K
  • 雑誌名: J Cell Physiol 巻: 229 号: 6 ページ: 696-704
  • DOI: 10.1002/jcp.24505
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Noxa determines localization and stability of MCL-1 and consequently ABT-737 sensitivity in small cell lung cancer. (2014)
  • 著者名/発表者名: Nakajima W, Hicks MA, Tanaka N, Krystal GW, Harada H.
  • 雑誌名: Cell Death Dis 巻: 5 号: 2 ページ: e1052-e1052
  • DOI: 10.1038/cddis.2014.6
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] p53の機能欠損によって引き起こされる解糖系の亢進の癌化及び腫瘍増殖における役割, ワークショップ低酸素バイオロジーの最前線;代謝調節による細胞機能制御 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] MEP50/PRMT5複合体は転写因子Gli1の制御を介して癌細胞の増殖だけでなく癌幹細胞様細胞の維持に関わる (2013)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲、田中信之
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 炎症誘発の発癌過程におけるp53-p21経路抑制の抑制 (2013)
  • 著者名/発表者名: 谷村篤子、上原郁野、中里茜、田中信之
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] EGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺癌におけるHIF-1αの役割とゲフィチニブ感受性メカニズム (2013)
  • 著者名/発表者名: 武内進、中嶋亘、中野なおこ、阿部芳憲、弦間昭彦、田中信之
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] サイトカインレセプターの糖鎖修飾阻害による発癌抑制効果の検討 (2013)
  • 著者名/発表者名: 上原郁野、谷村篤子、田中信之
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] p53の機能欠損によって引き起こされる解糖系の亢進の癌化及び腫瘍増殖における役割 (2013)
  • 著者名/発表者名: 田中 信之
  • 学会等名: 第36回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] MEP50/PRMT5複合体は転写因子Gli1の制御を介して癌細胞の増殖だけでなく癌幹細胞様細胞の維持に関わる (2013)
  • 著者名/発表者名: 阿部 芳憲,田中 信之
  • 学会等名: 第36回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 炎症誘発の発癌過程におけるp53-p21経路抑制の抑制 (2013)
  • 著者名/発表者名: 谷村 篤子,上原 郁野,中里 茜,田中 信之
  • 学会等名: 第36回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 武内 進,中嶋 亘,中野 なおこ,阿部 芳憲,弦間 昭彦,田中 信之 (2013)
  • 著者名/発表者名: EGFR 遺伝子変異を有する非小細胞肺癌におけるHIF-1αの役割とゲフィチニブ感受性メカニズム
  • 学会等名: 第36回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] 上原 郁野,谷村 篤子,田中 信之 (2013)
  • 著者名/発表者名: サイトカインレセプターの糖鎖修飾阻害による発癌抑制効果の検討
  • 学会等名: 第36回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] Noxa Determines Subcellular Localization and Stability of MCL-1 in Small Cell Lung Cancer Cells (2013)
  • 著者名/発表者名: Wataru Nakajima1, Mark Hicks, Nobuyuki Tanaka, Geoffrey Krystal, Hisashi Harada
  • 学会等名: 第36回 日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸
• [学会発表] Role of enhanced glycolysis in oncogenic transformation in culture cells and rumor development (2012)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会シンポジウム「Signal transduction and cancer therapy」
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] 新規hedgehogシグナル伝達分子WDR77はEGFRシグナルの下流でのSTAT3活性化による新しいGli活性化機構と細胞の癌化にも関与する (2012)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲、田中信之
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] 癌遺伝子E1A発現細胞におけるBH3-only因子Noxa/Pumaによるアポトーシス誘導機構の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中嶋亘、田中信之
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] 新規hedgehogシグナル伝達分子WDR77による癌化に関わるSTAT3を介した新規Gli1活性化機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲、川村健治、田中信之
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] アポトーシス誘導因子Noxaタンパクの機能制御と癌化の抑制における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 照沼美沙紀、中嶋亘、浅野由ミ、武内進、川端博秋、田中信之
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] アポトーシス促進因子BaxのBH2ドメインによる制御と活性化機構の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中嶋亘、田中信之
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] DSS誘発腸炎マウスモデルでのp53-p21経路の抑制 (2012)
  • 著者名/発表者名: 谷村篤子、上原郁野、田中信之
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] サイトカインレセプターの糖鎖修飾阻害による抗炎症作用の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 上原郁野、谷村篤子、田中信之
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] p53による解糖系の制御とその癌抑制における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第35回日本生化学会大会シンポジウム「がんと代謝:がん研究の新たな展開」
  • 発表場所: 博多
• [学会発表] Role of enhanced glycolysis in oncogenic transformation in culture cells and rumor development (2012)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第71回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] 新規hedgehogシグナル伝達分子WDR77による癌化に関わるSTAT3を介した新規Gli1活性化機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 阿部芳憲
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] アポトーシス誘導因子Noxaタンパクの機能制御と癌化の抑制における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 照沼美沙紀
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] アポトーシス促進因子BaxのBH2ドメインによる制御と活性化機構の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中嶋 亘
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] DSS誘発腸炎マウスモデルでのp53-p21経路の抑制 (2012)
  • 著者名/発表者名: 谷村篤子
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] サイトカインレセプターの糖鎖修飾阻害による抗炎症作用の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 上原郁野
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡
• [学会発表] p53による解糖系の制御とその癌抑制における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田中信之
  • 学会等名: 第85回日本生化学会大会
  • 発表場所: 福岡
• [備考] 日本医科大学老人病研究所免疫部門ホームページ
  • URL: http://www.nms.ac.jp/ig/moloncol/index.html