研究課題/領域番号 |
24681014
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 一部基金 |
研究分野 |
量子ビーム科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
NEWTON Marcus (MEWTON Narcus) 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (60608652)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2013年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2012年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 放射光 / TRICXD |
研究概要 |
私の目標は二酸化バナジウムなどの物質内の超高速結晶構造変化を研究することです。超高速構造変化の深い理解を得ることにより、多くの将来性のある新たなデバイスが発展し得る可能性があります。これらには光学スイッチと新型トランジスタを含みます。これまでの研究成果は想像以上に良いものとなっています。私は今まで、ナノ結晶を合成する高度な合成システムの設計と実装を行い、これを用いて結晶性の良い二酸化バナジウムの合成に成功しました。そしてこのナノ結晶を用いて、理化学研究所播磨研究所にあるX線自由電子レーザー(XFEL)施設、SACLAにおいて材料の分野に関連の高い実験を行ってきました。 この施設で時間分解コヒーレント回折法(Time-resolved Imaging using Coherent X-ray diffraction, TRICXD)により二酸化バナジウムに関する研究の先駆けとなる研究を行いました。またこの実験において結晶の温度を0.01度で制御する装置も設計し、これらの成果として、二酸化バナジウムにおいてフェムト秒スケールで起こる未だ解明されていない物理現象の観察を行うことができました。それは二酸化バナジウムナノ結晶を加熱した時、すべての原子禄数フェムト秒で急な結晶構造変化をし、自発的に配列し直すことも見つけ出したことです。これが私の主な成果であり、そしてこの結果は、学術関係者と政府機関から非常に大きな国際的関心を集めることになるでしょう。今後これらの発見を『Science』『Nature Physics』『Nature Materials』といった信頼性のある国際的学術誌で発表をしていきたいと考えています。これからは、どのように物質がフェムト秒という時間規模で構造を変化することが出来るかという理論の発展に焦点を充てていきます。そして今後も、この過程を理解するために、結晶内の原子の数値シミュレーション設計と実験を行っていきます。ナノ結晶の性質の制御に関する研究も続けていくつもりであり、その中でも特に二酸化バナジウムにおけるヒステリシス効果の減少を目指します。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画に見合った予定よりも進捗しており、測定のためのより良い試料作りも順調に進んでいます。
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今後の研究の推進方策 |
今後、TRICXD実験に用いるナノ結晶の改良することを考えており、これにはヒステリシスや温度安定性のような課題の解決も含んでいます。また私はこれまで以上にTRICXD実験を最大限に利用していくつもりでいます。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の残り予算は、平成25年度以降の備品購入に充てるつもりです。
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