研究課題
若手研究(A)
本研究は、近世最大の刀装具一派である後藤四郎兵衛家が記した、「極帳」と呼ばれる祖先の刀装具の鑑定記録を分析するものである。極帳は東京藝術大学附属図書館に所蔵され、研究の結果、それらは元禄17年(1704)から160年間分の365冊があり、膨大な鑑定依頼に対して正確な回答を出すため、高度に系統づけられて記録されていたことが分かった。そして、その鑑定は、刀装具が極めて克明正確に記録され、再鑑定を容易に行なうための工夫があり、その結果には美術的評価だけではなく、当時の社会的需要や儀礼・格式の影響を強く受けていることが分かり、同家における鑑定の歴史的展開は近世独特の様相を示していたことが判明した。
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「後藤家文書 刀装金工の鑑定と記録」図録
ページ: 4-7