有機分子薄膜の電子状態計測―分子軌道からバンド形成にいたるまでの描像―

• 研究課題/領域番号: 24685004
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 一部基金
• 研究分野: 物理化学
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 山田 剛司 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90432468)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円); 2014年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円); 2013年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円); 2012年度: 15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
• キーワード: 2光子光電子分光 / 有機薄膜 / 非占有準位 / 走査トンネル顕微鏡 / 局所分光 / フタロシアニン / ルブレン / 鏡像準位 / 有機半導体薄膜 / バンド分散 / 有機分子薄膜 / バンド構造

研究成果の概要

固体表面上に膜厚が単分子層程度の有機薄膜を作成し、非占有準位に着目しつつ、ナノスケールからマクロスケールに至る空間領域で電子状態計測を行った。具体的には2光子光電子(2PPE)分光と、走査トンネル顕微鏡(STM)を使用した局所分光を組み合わせた。STMでは吸着構造と電子状態に関する情報が同時に得られるため、両者の相関が1対1で解明できる。さらに、特に非占有鏡像準位を手掛かりに角度分解2PPE能を行うことで、単分子由来の分子軌道的な描像や、分子集合体が形成されてバンド構造が出現するに至る過程を理解できるようになった。非占有準位の持つ局在・非局在性が分子・原子レベルで理解できるようになってきた。

研究成果

• [雑誌論文] Decay of the Exciton in Quaterthiophene-Terminated Alkanethiolate Self-Assembled Monolayers on Au(111) (2015)
  • 著者名/発表者名: Hiroyuki S. Kato, Yoshinari Murakami, Yoshiaki Kiriyama, Riyo Saitoh, Takahiro Ueba, Takashi Yamada, Yutaka Ie, Yoshio Aso, and Toshiaki Munakata
  • 雑誌名: The Journal of Physical Chemistry C 巻: 119 号: 13 ページ: 74007407-74007407
  • DOI: 10.1021/acs.jpcc.5b02105
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] The Complex Polymorphism and Thermodynamic Behavior of a Seemingly Simple System: Naphthalene on Cu(111) (2014)
  • 著者名/発表者名: Roman Forker, Julia Peuker, Matthias Meissner, Falko Sojka, Takahiro Ueba, Takashi Yamada, Hiroyuki S. Kato, Toshiaki Munakata, and Torsten Fritz
  • 雑誌名: Langmuir 巻: 30 号: 47 ページ: 416314170-416314170
  • DOI: 10.1021/la503146w
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Spectroscopic investigation of unoccupied states in nano- and macroscopic scale: Naphthalene overlayers on highly oriented pyrolytic graphite studied by combination of scanning tunneling microscopy and two-photoemission (2014)
  • 著者名/発表者名: T. Yamada, M. Isobe, M. Sibuta, H.S. Kato, T. Munakata
  • 雑誌名: J. Phys. Chem. C 巻: 118 号: 2 ページ: 1035-1041
  • DOI: 10.1021/jp4097875
  • 査読あり
• [雑誌論文] Diffuse Unoccupied Molecular Orbital of Rubrene Causing Image-Potential State Mediated Excitation (2013)
  • 著者名/発表者名: T Ueba, R. Terawaki, T. Morikawa, Y. Kitagawa, M Okumura. T. Yamada, H S. Kato, T. Munakata
  • 雑誌名: Journal of Physical Chemistry C 巻: 117 号: 39 ページ: 20098-20103
  • DOI: 10.1021/jp407933m
  • 査読あり
• [雑誌論文] Growth and adsorption geometry of naphthalene overlayers on HOPG studied by low-temperature scanning tunneling microscopy. (2012)
  • 著者名/発表者名: T. Yamada
  • 雑誌名: Chem. Phys. Lett. 巻: 546 ページ: 136-140
  • DOI: 10.1016/j.cplett.2012.08.011
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dispersions of image potential states on surfaces of clean graphite and lead phthalocyanine film (2012)
  • 著者名/発表者名: R. Yamamoto
  • 雑誌名: Phys. Chem. Chem. Phys. 巻: 14 号: 27 ページ: 9601-9605
  • DOI: 10.1039/c2cp40922d
  • 査読あり
• [雑誌論文] Image Potential State Mediated Excitation at Rubrene/Graphite Interface (2012)
  • 著者名/発表者名: J.Park
  • 雑誌名: J.Phys.Chem.C 巻: 116 号: 9 ページ: 5821-5826
  • DOI: 10.1021/jp211938h
  • 査読あり
• [学会発表] 2光子光電子分光によるRubrene/Au(111)の非占有準位の測定 (2015)
  • 著者名/発表者名: 西村史也、上羽貴大、國枝省吾、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 日本化学会第95春季年会
  • 発表場所: 日本大学
  • 年月日: 2015-03-26
• [学会発表] ルブレン/グラファイト界面における共鳴励起と局所電子状態 (2015)
  • 著者名/発表者名: 山田剛司、渡辺悠、木下真梨子、上羽貴大、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 日本物理学会第70回年次大会
  • 発表場所: 早稲田大学
  • 年月日: 2015-03-22
• [学会発表] 2光子光電子分光によるグラファイト基板上ルブレン薄膜の電子励起・緩和ダイナミクス (2014)
  • 著者名/発表者名: 上羽貴大，寺脇理恵，山田剛司，加藤浩之，宗像利明
  • 学会等名: 表面界面スペクトロスコピー2014
  • 発表場所: 関西セミナーハウス
  • 年月日: 2014-12-05
• [学会発表] 2光子光電子分光によるRubrene/Au(111)の非占有準位の測定 (2014)
  • 著者名/発表者名: 西村史也，上羽貴大，國枝省吾，山田剛司，加藤浩之，宗像利明
  • 学会等名: 表面界面スペクトロスコピー2014
  • 発表場所: 関西セミナーハウス
  • 年月日: 2014-12-05
• [学会発表] フタロシアニン薄膜のナノスケール構造と非占有電子状態 (2014)
  • 著者名/発表者名: 山田剛司、河北徳明、奥井千亜紀、渡辺悠、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 第34回 表面科学学術講演会
  • 発表場所: 島根県松江市 くにびきメッセ
  • 年月日: 2014-11-08
• [学会発表] Spectroscopic Investigation of Unoccupied States in Nano- and Macroscopic Scale: A Combined STM and 2PPE study (2014)
  • 著者名/発表者名: Takashi Yamada, Mio Isobe, Masahiro Shibuta, Hiroyuki S. Kato, and Toshiaki Munakata
  • 学会等名: The 7th International Symposium on Surface Science (ISSS-7)
  • 発表場所: Matsue, Shimane
  • 年月日: 2014-11-06
• [学会発表] フタロシアニン薄膜のナノスケール構造と非占有電子状態 (2014)
  • 著者名/発表者名: 山田剛司、河北徳明、渡辺悠、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 第8回分子科学討論会
  • 発表場所: 広島大学
  • 年月日: 2014-09-22
• [学会発表] Electron Dynamics at Rubrene/Graphite Interface Studied by Two-Photon Photoemission Spectroscopy (2014)
  • 著者名/発表者名: Taka UEBA, Rie TERAWAKI, Takashi YAMADA, Hiroyuki S. KATO and Toshiaki MUNAKATA
  • 学会等名: the 30th European Conference on Surface Science (ECOSS30)
  • 発表場所: Antalya, Turke
  • 年月日: 2014-09-02
• [学会発表] Vibrationally resolved 2PPE for organic ultrathin films (2013)
  • 著者名/発表者名: T. Yamada, T. Ueba, R.Terawaki, J. Park, M. Shibuta, H. S. Kato, T. Munakata
  • 学会等名: 14th International Conference on Vibrations at Surfaces (VAS14)
  • 発表場所: 神戸市ニチイ学館(兵庫県神戸市)
  • 年月日: 2013-09-25
• [学会発表] 鉛フタロシアニン/HOPG膜構造の温度変化 (2013)
  • 著者名/発表者名: 渡辺悠、田口雅崇、河北徳明、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 日本物理学会 第68回年次大会
  • 発表場所: 広島大学(東広島市)
  • 年月日: 2013-03-26
• [学会発表] 2光子光電子分光によるルブレン/グラファイト界面の電子励起と緩和のダイナミクス (2013)
  • 著者名/発表者名: 上羽貴大、寺脇理恵、森川高典、北河康隆、奥村光隆、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 日本物理学会 第68回年次大会
  • 発表場所: 広島大学(東広島市)
  • 年月日: 2013-03-26
• [学会発表] PbPc/HOPGにおける鏡像準位への分子空間配置の影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 河北徳明、山本亮太、田口雅崇、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 日本化学会第93春季年会
  • 発表場所: 立命館大学(滋賀県草津市)
  • 年月日: 2013-03-22
• [学会発表] ルブレン単結晶の2光子光電子分光 (2013)
  • 著者名/発表者名: 寺脇理恵、上羽貴大、PARK Juyeon、森川高典、北河康隆、奥村光隆、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 日本化学会第93春季年会
  • 発表場所: 立命館大学(滋賀県草津市)
  • 年月日: 2013-03-22
• [学会発表] Spectroscopic Investigation of Unoccupied States Studied by the Combination of 2PPE and STM (2013)
  • 著者名/発表者名: T.Yamada, M. Isobe, M. Shibuta, H. S. Kato and T. Munakata
  • 学会等名: The 8th Conference on Ultrafast Surface Dynamics (USD-8)
  • 発表場所: Estes Park, Colorado, USA
• [学会発表] ルブレン単結晶の2光子光電子分光 (2012)
  • 著者名/発表者名: 寺脇理恵、上羽貴大、PARK Juyeon、森川高典、北河康隆、奥村光隆、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 表面界面スペクトロスコピー2012 (第6回)
  • 発表場所: ホテル阪急エキスポパーク(大阪府吹田市)
  • 年月日: 2012-12-06
• [学会発表] フタロシアニンの膜成長過程 : 空間配置と電子状態からの検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田口雅崇、渡辺悠、河北徳明、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 表面界面スペクトロスコピー2012(第6回)
  • 発表場所: ホテル阪急エキスポパーク(大阪府吹田市)
  • 年月日: 2012-12-06
• [学会発表] ルブレン/グラファイト界面における電子励起と緩和過程 (2012)
  • 著者名/発表者名: 上羽貴大、寺脇理恵、森川高典、北河康隆、奥村光隆、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 関西薄膜表面物理セミナー
  • 発表場所: 神戸セミナーハウス(神戸市)
  • 年月日: 2012-11-23
• [学会発表] ルブレンにおける空間的広がりの大きい原子軌道様の非占有準位 (2012)
  • 著者名/発表者名: 森川高典、上羽貴大、寺脇理恵、北河康隆、奥村光隆、加藤浩之、山田剛司、宗像利明
  • 学会等名: 第6回分子科学討論会
  • 発表場所: 東京大学(文京区本郷)
  • 年月日: 2012-09-19
• [学会発表] オリゴチオフェン誘導体からなる自己組織化単分子膜の2光子光電子分光 (2012)
  • 著者名/発表者名: 桐山貴旭、村上吉成、斎藤理世、家裕隆、安蘇芳雄、上羽貴大、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 第6回分子科学討論会
  • 発表場所: 東京大学(文京区本郷)
  • 年月日: 2012-09-19
• [学会発表] ルブレン/グラファイト界面における鏡像準位と非占有分子軌道の相互作用 (2012)
  • 著者名/発表者名: 上羽貴大, 寺脇理恵, 森川高典, 北河康隆, 奥村光隆, 山田剛司, 加藤浩之, 宗像利明
  • 学会等名: 第6回分子科学討論会
  • 発表場所: 東京大学(文京区本郷)
  • 年月日: 2012-09-18
• [学会発表] Spectroscopic Investigation of Unoccupied Molecular States at the Nano- and Macroscopic Scale
  • 著者名/発表者名: Takashi Yamada
  • 学会等名: イエナ大学 物性物理研究所セミナー
  • 発表場所: ドイツ イエナ大学
  • 招待講演
• [学会発表] 固体表面における分子科学
  • 著者名/発表者名: 山田剛司
  • 学会等名: 第2回分子科学若手シンポジウム
  • 発表場所: 分子科学研究所
  • 招待講演
• [学会発表] 時間分解2光子光電子分光で観る有機薄膜の電子励起過程
  • 著者名/発表者名: 山田剛司
  • 学会等名: 放射光学会第五回若手研究会-パルス特性を用いた次世代材料研究の最前線-
  • 発表場所: 東京大学物性研究所
  • 招待講演
• [学会発表] STMによるルブレン/HOPG膜の構造観察
  • 著者名/発表者名: 渡辺 悠，上羽 貴大，山田 剛司，加藤 浩之，宗像 利明
  • 学会等名: 第7回分子科学討論会
  • 発表場所: 京都テルサ
• [学会発表] PbPc/HOPGにおける鏡像準位の分散と電子散乱
  • 著者名/発表者名: 河北徳明、山本亮太、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 第33回表面科学学術講演会
  • 発表場所: つくば国際会議場
• [学会発表] グラファイト上ルブレン膜のSTM、2PPE観測による分子配向の考察
  • 著者名/発表者名: 渡辺悠、阪上このみ、上羽貴大、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 日本物理学会第69回年次大会
  • 発表場所: 東海大学
• [学会発表] グラファイト表面に吸着した分子の配置と基板上に作られる鏡像準位との相関
  • 著者名/発表者名: 渡辺悠、河北徳明、上羽貴大、山田剛司、加藤浩之、宗像利明
  • 学会等名: 関西薄膜表面物理セミナー
  • 発表場所: グリーンビレッジ片野
• [備考] 所属研究室HP
  • URL: http://www.ch.wani.osaka-u.ac.jp/lab/munakata/index-jp.html
• [備考] 大阪大学 教員基本情報
  • URL: http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/view?l=ja&u=3265&k=%E5%B1%B1%E7%94%B0%E5%89%9B%E5%8F%B8&kc=1&sm=keyword&sl=ja&sp=1