音源から聴取者の鼓膜面上までの音の伝搬を表す頭部伝達関数(head-related transfer function, HRTF)を音源信号に畳み込むことで,聴取者に仮想的な音源を知覚させることができる.本研究では,計算機の描画用プロセッサであるGPU(graphics processing unit)を用いた並列処理によって,複数の聴取者に同じ仮想音空間を共有するシステムについて検討を行った.システムを実現するため,聴取者の位置及び頭部の向きを画像処理によって検出するインタフェースを実装した.聴取者の人数や移動範囲に制限があるものの,同じ仮想音源を知覚させることが可能であることを示した.
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