本研究では,地域生活を将来的に支えていく「若者」世代を巻き込みつつ,どのようにして「新しい公共」を創出していくのかという政策課題を念頭に置いて,地域住民の自生的スポーツ活動を「スポーツ・コミュニティ」と捉え,それが世代間関係を再生産する過程を明らかすることを目的とした. 地域住民たちは,自らの生活感覚をそのまま反映させることができる「生活拡充集団」としてのスポーツ・コミュニティの活動において,野球をする「若者」を巻き込みながら,生活課題の解決を図ろうとしてきた.こうした事例研究をもとに,現代的コミュニティ・スポーツ論が,時間的・空間的視点を備えた議論として展開される必要があることを指摘した.
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