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近世から現代にかけての平仮名字形の定着

研究課題

研究課題/領域番号 24720202
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 日本語学
研究機関北海道大学

研究代表者

高木 維  北海道大学, 文学研究科, 専門研究員 (30601182)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2012年度)
配分額 *注記
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2015年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2014年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2013年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2012年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード国語学 / 字形 / 平仮名
研究概要

研究を進めることが困難な状況が続いていたため、予定していたほどの成果を得ることができたとはいえない。具体的成果としては、明治時代中期の活字資料11種を集録し、当研究の構築するデータベースに組み入れた。対象とした資料は既存の調査資料の系統から外れるものではなく、当研究の抱える、系統・号数という情報をいかにデータベースに反映させるかという課題は依然として残される。また、完全に作業を完了している段階ではないが、手書き字と印刷字のあいだに位置するとも言える原稿資料(夏目漱石手稿)のデータ化に着手している。罫線のない書写資料とは異なって字形の間隔が揃えられるという環境は、データベースにおいても他書写資料と同列に扱うことはできない。書写資料という枠組みの中においても、この対立を明示できる仕様を整える必要があるということが分かったことも成果の一つと言える。
25年度に得られた研究成果の意義および重要性は、当データベースの拡張にあると言える。本研究の目的は、江戸時代から現代に至るまで、平仮名の群の規模や体系がどのように変化・固定化してきたかを示し、印刷字(整版・活版)・手書き字というメディア的対立が平仮名字形にもたらした影響を明らかにすることにある。柔軟性の著しい平仮名字形が次第に収斂・固定化してゆく過程を明らかにすることは従来の文字研究に寄与するものであり、24年度の成果の中では特に「原稿資料」の調査が意義深いものと考えられる。印刷字から手書き字への影響は、印刷字を目にすることのみによって起こりえたものではない。当時の書写行為として非日常的であった「間隔を揃えて書く」ことを強制する環境が、少なからず以後の字形に影響を与えたものと考えられるからである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

体調不良と教育活動の忙しさによって、体力的余裕と時間的余裕に乏しかったため、計画を達成することはできなかった。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、平成25年度のまでの進展の遅れを取り戻すとともに、江戸時代の資料を調査対象として加え、江戸時代から明治時代にかけての「手書き字と印刷字の間の主従関係」がどのように変化したのかを明らかにする。
明治時代とは異なり、江戸時代は整版が出版の主流である。そのため、明治時代と同様の資料区分で調査を行うことは不可能である。整版印刷物に関しては、滑稽本・草双紙・読本の調査を検討しているが、そのほかに、版面が特徴的なものとして浄瑠璃本が挙げられる。現行の平仮名体系との関連が明確でない資料であるが、研究に余裕が出次第、調査資料の種類を拡張することを考えている。また、明治時代の初等書写教育資料と対応するものとして往来物を扱う。
書写資料に関しては、明治時代における手筆原稿と同様に、稿本を中心に据えてデータの蓄積を行う。整版と対応する稿本を複数扱うことができれば、これまでは単体の作品において比較されていた稿本・整版の対立を、時代別または地域別に比較することが可能となるであろう。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度予算は、教育活動が繁忙だったことと体調不良により未使用額が発生した。
平成26年度は、日本語学会秋季大会への参加のため、旅費の使用を計画している。また、調査の進行状況によっては画像処理作業を院生に任せ、その謝礼の支払いを計画している。

報告書

(2件)
  • 2013 実施状況報告書
  • 2012 実施状況報告書

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公開日: 2013-05-31   更新日: 2019-07-29  

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