研究概要 |
本研究では,「母語」「母国語」「外国語」をめぐる中国朝鮮民族日本語学習者の言語意識をライフヒストリーインタビューから聞き,考察を行ったものである。そこには,3つの言語に対する葛藤やアイデンティティの揺れが語られていた。しかし,その揺れを乗り越え,そのどれも「完璧」とは言えない互いの言語を補い合いながら生きる姿も見られた。さらに,言語の境界を生きること,「自分」にとって意味のある言語で生きることの重要性が語られ,ことばをアイデンティティの観点から捉え直すことの必要性が示唆された。また、自らが変化していく主体であり、他者とかかわり、理解しあえることができたと捉えていることが明らかになった。
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