本研究の目的は、日本企業における研究開発拠点の国際的な立地戦略の特徴について明らかにすることである。日本のエレクトロニクス関連企業を題材とした定量的データの分析からは、海外における研究開発活動は近年、規模的・地理的に拡大傾向にあることが明らかにされた。一方、近年の日本企業は研究開発活動の技術分野を絞り込む傾向にあり、同様に海外子会社が研究開発で手掛ける技術分野についても狭まる傾向にあった。また、海外子会社の研究開発活動は、親会社の相対的に手薄な技術分野を補完するというよりも、親会社の既存のコア技術分野の研究開発をより強化する様子が観察された。
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