本研究の目的は、フランスにおいて本格的に複式簿記が普及し始める16世紀から、1673年のフランス商事勅令に至るまでの、フランスにおける会計システムの変遷を解明することにあった。そのために有益な資料と思われる電子ジャーナルComptabilite(S), revue d’histoire des comptabilitesの分析を行うことを試みた。着目すべきは、当該ジャーナルの掲載論文には、複式簿記への言及をおこなった論文が存在していた点である。これに加え、当該ジャーナルの貢献は、会計帳簿の様々な見方を提示し、会計史研究の分析手法に多くの可能性が秘められていることを示した点にあった。
|