研究課題/領域番号 |
24740009
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長尾 健太郎 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 助教 (10585574)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2014年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2013年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2012年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 非可換Donaldson-Thomas理論 / コホモロジー的Hall代数 / ポテンシャルの切断 |
研究概要 |
24年度は非可換Donaldson-Thomas理論において主に重要なコホモロジー的Hall代数の具体的構造の研究を行った.コホモロジー的Hall代数は$3$次元Calabi-Yau圏の対称性を記述する代数であり,非可換Donaldson-Thomas不変量の理解において重要な役割を果たすと期待される. 残念ながらコホモロジー的Hall代数の具体的計算はまだほとんど行われていない. 申請者は23年度以前に行っていたモチーフ的非可換Donaldson-Thomas不変量の研究における技術を応用し,コホモロジー的Hall代数の具体的計算において重要な「ポテンシャルの切断によるコホモロジー的Hall代数のリダクション」という概念を発見した. これは4次元のゲージ理論と6次元の弦理論の関係を記述するものであり,今後さまざまな発展を導くと期待している. 現在はこの概念の基礎理論の構成中であり,25年度以降は応用を深めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
非可換Donaldson-Thomas理論におけるコホモロジー的Hall代数の重要性は数年前から多くの超弦理論学者及び数学者によって認識されていたが,その具体的構造についての研究のための技術は一切知られてこなかった.申請者は23年以前のモチーフ的非可換Donaldson-Thomas理論研究において築き上げた「ポテンシャルの切断によるリダクション」という技術がコホモロジー的Hall代数において活躍したことは,想定外の喜ばしい研究成果であり,24年度の非可換Donaldson-Thomas理論研究における目的達成度は非常に高かったと言える.
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今後の研究の推進方策 |
25年度の第一の目標は「ポテンシャルの切断によるリダクション」の基礎理論を論文にまとめ,非可換Donaldson-Thomas理論研究をより発展させていくことである. その後,まずは$\mathbb{C}^3$及びコニフォールドという2つの簡単な$3$次元Calabi-Yau多様体に対してリダクションを適用する.これらは近年超弦理論の影響(AGT予想)をうけて派再発展した$4$次元ゲージ理論との関連が深く,また結び目不変量とのつながりも大いに期待されており,26年度まで通じて研究を深めていく必要がある.
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度は体調上の理由により海外出張を減らしたため当初の予定より旅費が大幅に減少した.25年度は新しい理論の構築時期であることもあり,国内外への出張は非常に重要である.体調を維持し,出張を十分に行い,理論を世界に広め,非可換Donaldson-Thomas理論の研究をより盛んなものにしていく予定である.
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