研究課題
若手研究(B)
本研究は、銀河系の星の70-90%が生まれる星団形成を理解することを大目標に、星団形成に支配的な影響を与えていると考えられる大質量星から放出される紫外線の周辺環境及び星形成に与える影響を調査することを目的としている。この目的を達成するために、大質 量星の紫外線が周辺環境に与える物理的・化学的影響を明らかにし、紫外線に照射されたコアと照射されていないコアとの間の物理量(質量・密度・温度・速度構造)の相違点を明らかにすることを目指している。研究代表者は紫外線の照射により破壊されやすい一酸化炭素 (CO)分子と紫外線の照射により強度が増加する8μm放射の分布の違いから、紫外線の影響を受けている領域を同定してきた。しかし、この同定方法は空の面に平行に分布している領域しか同定できない。紫外線の影響を無バイアスに明らかにするには、新たな診断方法が必要となる。そこで、CO分子の同位体の存在量比(X[13CO]/X[C18O])から紫外線の影響を診断する。C18O分子は13CO分子と比べ紫外線により選択的に破壊される。そのため、紫外線の影響を受けた領域では、 存在量比が大きくなることが期待される。オリオン座A分子雲には多くの大質量星が分布している。この周辺部では存在量比が大きい事が期待される。この作業仮説を検証するため、オリオン座A分子雲北部の1平方度の領域に対してC18O分子輝線と13CO分子輝線の同時観測を野辺山45m電波望遠鏡を用いたプロジェクト観測に立案し、観測時間が割り当てられた。しかし、使用を予定していた新受信機の科学運用が遅れたため、今年度は既存の受信機を用いて、半分の領域(0.5平方度)に対してデータを取得した。現在、これらのデータをもとに論文を執筆中である。
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Astronomy and Astrophysics
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http://www.nro.nao.ac.jp/~Shimajiri/YoshitoShimajiri/home.html
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