界面活性剤+水系は界面活性剤が2分子膜を形成し、さらにその二分子膜が平板にならんだラメラ相や3次元的にネットワークを形成しているスポンジ相を形成する。今回、ラメラ相に対して、温度勾配を与え、その挙動について観察した。ラメラ相にはエネルギーの損失のため好まれない線欠陥が存在する。しかしながら、温度勾配下では、このエネルギー的に不利な構造である線欠陥を積極的に移動させる事により、温度勾配中でのエネルギーのやり取りをしていることを発見した。今回の発見により、線欠陥はただ欠陥として存在しているのではなく、現実世界のような温度勾配があるような系において重要な役割を果たしている事を暗に示している。
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