本研究では在宅復帰を重視した運営を行っている老人保健施設を対象に調査を実施し、近年の運営状況と現在に至るまでの運営の変遷について考察した。 まず高い在宅復帰率が保たれている背景には、在宅復帰を前提とした中期入所・短期入所を核に通所リハビリ等の在宅サービスを組合せて提供する事で家族の介護負担を軽減させていた。また対象施設でも当初は人員面・施設面共に限られた体制であったが、在宅復帰重視の施設運営に向けて、施設面では既存の部屋の活用や、入浴方式の改善に伴う場所の整理統合、人員面でも介護報酬の加算の新設・増額を契機とした職員の増員など、時間の経過と共に運営内容や実施体制の改善が徐々に行われていた。
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