研究課題/領域番号 |
24760594
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
徐 世偉 長岡技術科学大学, 工学部, 研究支援者 (50582780)
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研究期間 (年度) |
2012
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研究課題ステータス |
中途終了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2013年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2012年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 希土類フリー / 高強度マグネシウム合金 / 再結晶挙動 / 規則GPゾーン / 双晶 / 加工条件 / 機械的性質 / 最適製造プロセス条件 |
研究概要 |
CO2削減に大きく貢献できる自動車用ボディパネル材、骨格構造体等の自動車部品の超軽量化用の希土類フリー高強度マグネシウム台金開発のために、本研究では豊富で安価なユビキタス元素のみから構成される規則GPゾーン形成型Mg-Al-Ca(Mn)およびMg-Zn-Ca(Mn)系合金の再結晶挙動に及ぼす晶出化台物および粒内に形成されるナノ析出物の影響を解明し、その結果を基礎として、高性能なマグネシウム台金の創製のための合金設計指針とその最適製造プロセス条件の提案を目指した。成果は以下のとおりである。(1)汎用元素のみを含有する Mg-3.6Al-3.3Ca-0.4Mn(mass%)(Al/Ca質量比29/26)台金連続鋳造材を用いて押出し加工を行った。300-475℃という高温押出しにも関わらず、0.1mm/sという低速で押出すことにより、ナノスケールの板状および球状の準安定相の析出、微細分散した晶出化合物のピン止め効果による再結晶位微細化が発現し、その結果、300℃押出しまま材でも、引張強さ486MPa、引張耐力446AMPaと、既存の展伸用マグネシウム合金と比較しても非常に高い強度を示す。既存の耐熱型4032アルミニウム合金T6処理材に匹敵する高強度化が低コストで達成し、日本発の低コストで優れた耐熱展伸マグネシウム合金が実現すること明らかにした。(2)Mg-3.6Al-3.3Ca-0.4Mn(mass%)合金の鋳造まま材の高温押出しに伴うミクロ組織変化を、後方散乱電子回折法を用いて詳細に検討した。その結果、粒内ではまず(10-12)引張双晶が生じ、その双晶が成長し、強い底面集合組織を持っている未再結晶領域になる。さらに双晶が起きていない領域での柱面すべり変形と動的回復を伴った転位の再配列により形成される小傾角粒界が大傾角化し連続再結晶(CDRX)が生じる。その成果をもとに高性能化を目指した組織制御を提案し、新たな展開へ向けた研究へと進展させている。これらの成果は、今年度に第一著者として既に国際学術誌に3本掲載した。さらに、国際会議でも2回口頭発表を行い、「軽金属学会第122回春期大会」では優秀ポスター発表賞を受賞した。
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