研究課題/領域番号 |
24790378
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
申 杰 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (80624303)
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研究期間 (年度) |
2012
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研究課題ステータス |
中途終了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2013年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2012年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 血小板由来成長因子 / 血液脳関門 / 脳梗塞 |
研究概要 |
血小板由来成長因子(Platelet derived growth factors : PDGFs)およびそれらの受容体(PDGFRs)は中枢神経系に広く発現していることが知られているが、中枢神経系における機能は未解明である。我々は血小板由来成長因子β受容体(PDGFR-β)の中枢神経系における機能を明らかにするために、マウス光学的中大脳動脈血栓誘導(MCAO)後の治癒過程の解析を行った。正常なマウス(Floxed)の場合、PDGFR-βは神経細胞とペリサイト/血管平滑筋細胞に発現がみられるが、生後全身性にPDGFR-βをノックアウトしたマウス(Esr-KO)では、PDGFR-βの発現が観察されない以外は正常であった。しかし、MCAO後3~28日目で、Esr-KOはFloxedと比較して体重の減少や行動の異常が観察されるとともに、梗塞巣のエリアサイズが有意に大きかった。梗塞巣ではEsr-KOはFloxedともに血管新生の程度は同等であったが、ペリサイト/血管平滑筋細胞のリクルートはEsr-KOにおいて激烈に低下していた。さらにEsr-KOでは深刻な脳浮腫が観察され、血管のタイトジャンクションを構成するclaudin-5およびoccludinの発現減少がみられるとともに、光学顕微鏡レベル、電子顕微鏡レベルで血管透過性が亢進していることを確認した。一方、神経系細胞特異的にPDGFR-βをノックアウトしたマウス(Nestin-KO)では、ペリサイト/血管平滑筋細胞のPDGFR-βの発現は正常である。Nestin-KOのMCAO施術後の梗塞巣は、Floxedよりもエリアサイズが有意に大きかったが、Esr-KOと比較して梗塞サイズの程度は小さかった。以上の結果から、脳梗塞後の治癒過程で、PDGFR-βシグナル依存的なペリサイト/血管平滑筋細胞のリクルートは、血液脳関門の保持に重要であることが証明された。
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