磁気共鳴画像装置(MR装置)周辺では漏洩磁界により作業者に一時的なめまい等の感覚機能変化が生じるが、現状で推奨される回避アクションは装置周辺での体動制御のみである。本研究ではより遵守が容易な磁界ばく露低減手段の提案としてMR装置近傍に30 cmの立ち入り制限区間を設け、磁界センサによるばく露静磁界レベル計測やモーションキャプチャによる作業能率への影響評価を行った。その結果、頭部MR検査時の最大ばく露磁界値は対策によって25 %低下したものの、速度、滞在時間、移動距離等に有意な変化が観察されなかった。これらの結果により、本対策は作業能率に影響させることなくばく露低減に有効であることが示された。
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