精液特異的な脱メチル化領域として報告されているDACT1遺伝子領域について,バイサルファイトシークエンス法により,各種陳旧体液斑のメチル化状態の解析を行ったところ,陳旧によっても精液特異的な脱メチル化状態が保存されていることが確認され,法医学的精液検査の指標としての有用性が示唆された.さらに,実務を想定したより簡便な検査法として,TaqManプローブを用いたリアルタイムPCRによる,本領域のメチル化状態の検出系を確立した.本検査法は,精液証明の補助的検査法として,特に陳旧化した試料からの精液証明に有効な検査法となることが期待される.
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