研究課題/領域番号 |
24790983
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
石津 綾子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10548548)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2013年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2012年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / ニッチ / 細胞外マトリックス / テネイシン‐C / CLEC-2 |
研究概要 |
骨髄ニッチ(造血微細環境)は造血幹細胞の維持・増殖・分化に必須の組織である。骨髄ニッチの中でも、骨髄類洞を含む『血管性ニッチ』は、特に幹細胞の増殖に重要である。本研究は、これまでの研究とさらに深堀し、リンパ管発生に不可欠な分子が骨髄血管性ニッチにおいてどの様に発現し、造血幹細胞の制御に関わっているかを検討した。骨髄血管周囲に発現する細胞外マトリックスタンパクのテネイシン-Cはリンパ管弁の形成、血小板因子CLEC-2はリンパ管と血管の分離に重要である。これら2つのタンパクが骨髄造血にどの様にかかわっているかを検討した。造血抑制を薬剤で起こし、造血が回復する過程の骨髄では、遺伝子、タンパクレベルのテネイシン-Cの発現が著明に増加することを確認した。さらに、テネイシン-C欠損マウスにおいて、同じように造血抑制を起こすと、テネイシン‐C欠損下では骨髄造血の回復が明らかに遅延し、マウスも造血障害から致死に至る頻度がきわめて高いことを確認した。テネイシン-C欠損下では定常状態においては造血幹細胞の頻度や機能に影響は認められないものの、造血抑制からの回復期における、造血幹及び前駆細胞の頻度及び数は少なく、骨髄から分離した造血幹前駆細胞をテネイシン-C存在下にて培養すると、その増殖性は促進されるが、インテグリンα9の中和抗体を添加すると、増殖性が抑制された。これらのことから、テネイシン-Cは骨髄抑制などのストレス造血状態において、造血幹細胞の増殖性を刺激する重要な血管性ニッチの因子であることを報告した。一方、血小板特異的CLEC-2欠損マウスでは、定常状態の骨髄における造血幹細胞機能の低下を認めた。今後、CLEC-2の機能に関し解析を継続していく予定である。
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