配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2014年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2013年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2012年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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研究概要 |
マウスを用いた2種類の異なる実験系において、それぞれ自己抗体産生に関与する濾胞性ヘルパーT細胞(T follicular helper cells, TFH)サブセットを同定した。一つは自己反応性T細胞の胸腺における新たな分化経路としてのTFH(natural-TFH)であり、もう一つはリンパ球減少下でリンパ球が生理的に増殖(Lymphopenia-induced Proliferation : HP)する際に分化するTFH(HP-TFH)である。 まず、全てのCD4+T細胞が全身性核内自己抗原に反応し機能的Foxp3を欠くRDBLSfマウス(Rag2-/-×Ldn-OVA×DO11.10×Foxp3sf/sf)を作製し、このマウスに出現するT細胞を解析した。RDBLSfマウスは皮膚以外臓器障害がなくトレランスが維持されており、出現するT細胞はin vivoでanergicであった。従って、本研究により胸腺で自己反応性T細胞が既知のclonal deletionとTreg細胞への分化以外にanergicなT細胞に分化する新規経路が判明した。このT細胞はB細胞とTCR刺激下で共培養するとB細胞のIgG抗体産生を促進し、更にB細胞の存在するTCRα-/-DBLSfマウス(TCRα-/-×Ldn-OVA×DO11.10×Foxp3sf/sf)では血清IgG、IgA、IgE、抗核抗体およびOVA特異的IgGが上昇し、脾臓では本細胞群が存在する胚中心が形成されていた。即ちこのT細胞はTFH(natural-TFHと呼ぶ)であり、本系では自己抗体産生に関与していた。natural-TFHは、自己反応性T細胞由来で、anergicかつ単球や顆粒球機能を抑制するCD200を発現し、胸腺における新規自己反応性回避機構と考えられるが、更に正常もしくは病的過程においてTFH類似機能を有する可能性が示唆された 一方、nudeマウスにBalb/cマウス由来CD4+CD25-T細胞を移入する系を用いて自己抗体産生機序の検討を試みた。その結果、CD4+CD25-T細胞は、lymphopenia-induced proliferation(LIP)を介し、IL-21産生CXCR5-PD1+CD4+T細胞に分化し、胚中心形成とIgG産生亢進、自己抗体産生へと関わっていた。即ちLIPにおいてCXCR5-TFHが分化していることが判明した。またLIPにおいて出現するTFH(LIP-TFH)の分化をTregが抑えていることが判明した。 natural-TFHおよびHP-TFH共に、従来のTFHと比較し、TFHの主要な表面マーカーCXCR5が陰性で、自己抗原により分化する点が異なるが、その他の表面マーカー(PD-1,ICOSなど)や転写因子(Bc1-6など)の発現は従来のTFHと類似していた。
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