シクロオキシゲナーゼ阻害剤の抗真菌薬抵抗性誘導メカニズムの解明

• 研究課題/領域番号: 24791032
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 感染症内科学
• 研究機関: 大阪市立大学 (2014); 国立感染症研究所 (2012-2013)
• 研究代表者: 金子 幸弘 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90469958)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円); 2014年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円); 2013年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2012年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
• キーワード: 感染症治療学 / 新規治療開発 / カンジダ / シクロオキシゲナーゼ阻害剤 / 併用療法 / 抗真菌薬 / フルコナゾール / 拮抗 / 排出ポンプ

研究成果の概要

真菌は、健康な人に病気を起こすことはまれであるが、免疫が低下した人に感染し、一旦発症すると治療が難しい。真菌に対する治療薬は限られているが、一般的に使用されている薬が、治療薬の効果を変化させることを見出した。治療効果を弱める薬として解熱剤の一つであるシクロオキシゲナーゼ阻害剤に着目し、なぜ効果を弱めるのか、そのメカニズムの解明を検討した。その結果、シクロオキシゲナーゼ阻害剤は、真菌が治療薬を外に吐き出す能力を誘導することで、治療薬の効果を弱めている可能性が判明してきた。今後は、メカニズムの解明を通じて、治療薬を有効に使用するための方法について模索する。

研究成果

• [雑誌論文] Dendritic cell-based immunization ameliorates pulmonary infection with highly virulent Cryptococcus gattii. (2015)
  • 著者名/発表者名: Keigo Ueno, Yuki Kinjo, Yoichiro Okubo, Kyoko Aki, Makoto Urai, Yukihiro Kaneko, Kiminori Shimizu, Dan-Ni Wang, Akiko Okawara, Takuya Nara, Kayo Ohkouchi, Yuki Mizuguchi, Susumu Kawamoto, Katsuhiko Kamei, Hideaki Ohno, Yoshihito Niki, Kazutoshi Shibuya, Yoshitsugu Miyazaki
  • 雑誌名: Infect. Immun. 巻: 83 号: 4 ページ: 1577-1586
  • DOI: 10.1128/iai.02827-14
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Potent drugs that attenuate anti-Candida albicans activity of fluconazole and their possible mechanisms of action. (2014)
  • 著者名/発表者名: Urai M, Kaneko Y, Niki M, Inoue M, Tanabe K, Umeyama T, Fukazawa H, Ohno H, Miyazaki Y.
  • 雑誌名: J Infect Chemother 巻: 20 号: 10 ページ: 612-615
  • DOI: 10.1016/j.jiac.2014.06.004
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Combinatory effect of fluconazole and FDA-approved drugs against Candida albicans. (2013)
  • 著者名/発表者名: Kaneko Y, Fukazawa H, Ohno H, Miyazaki Y
  • 雑誌名: J Infect Chemother 巻: 19 号: 6 ページ: 1141-1145
  • DOI: 10.1007/s10156-013-0639-0
  • 査読あり
• [雑誌論文] Real-time microscopic observation of Candida biofilm development and effects due to micafungin and fluconazole. (2013)
  • 著者名/発表者名: Kaneko Y, Miyagawa S, Takeda O, Hakariya M, Matsumoto S, Ohno H, Miyazaki Y
  • 雑誌名: Antimicrob Agents Chemother. 巻: 57 号: 5 ページ: 2226-2230
  • DOI: 10.1128/aac.02290-12
  • 査読あり
• [雑誌論文] カラーグラフィック連載「目で見る真菌と真菌症」 ４．治療薬の選択と投与 (2013)
  • 著者名/発表者名: 金子幸弘, 浦井 誠, 宮﨑義継
  • 雑誌名: 化学療法の領域 巻: 29 ページ: 4-14
• [雑誌論文] 新薬の最近の話題 カスポファンギン (2013)
  • 著者名/発表者名: 金子幸弘, 宮﨑義継
  • 雑誌名: 分子呼吸器病 巻: 17 ページ: 107-110
  • NAID: 40021324457
• [雑誌論文] Selective estrogen receptor modulators inhibit hepatitis C virus infection at multiple steps of the virus life cycle (2013)
  • 著者名/発表者名: Murakami Y, Fukasawa M, Kaneko Y, Suzuki T, Wakita T, Fukazawa H
  • 雑誌名: Microbes Infect 巻: 15 ページ: 45-55
  • 査読あり
• [雑誌論文] Determination of Epidemiology of Clinically Isolated Cryptococcus neoformans Strains in Japan by Multilocus Sequence Typing (2013)
  • 著者名/発表者名: Umeyama T, Ohno H, Minamoto F, Takagi T, Tanamachi C, Tanabe K, Kaneko Y, Yamagoe S, Kishi K, Fujii T, Takemura H, Watanabe H, Miyazaki Y
  • 雑誌名: Jpn J Infect Dis 巻: 66 ページ: 51-55
  • NAID: 130003381641
  • 査読あり
• [雑誌論文] Real-time microscopic observation of Candida biofilm development and effects due to micafungin and fluconazole (2013)
  • 著者名/発表者名: Kaneko Y, Miyagawa S, Takeda O, Hakariya M, Matsumoto S, Ohno H, Miyazaki Y
  • 雑誌名: Antimicrob Agents Chemother 巻: 57 ページ: 2226-2230
  • 査読あり
• [雑誌論文] ＜特集関連情報＞Cryptococcus gattiiによるクリプトコックス症 (2013)
  • 著者名/発表者名: 大野秀明, 田辺公一, 金子幸弘, 梅山 隆, 山越 智, 宮﨑義継
  • 雑誌名: 病原微生物検出情報 巻: 34 ページ: 4-5
• [雑誌論文] アスペルギルス症 (2013)
  • 著者名/発表者名: 宮﨑義継, 田辺公一, 梅山 隆, 名木 稔, 金子幸弘, 山越 智, 上野圭吾, 金城雄樹, 大川原明子, 大野秀明
  • 雑誌名: 感染症道場 巻: 2 ページ: 20-23
• [雑誌論文] Cryptococcus gattii感染症 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮﨑義継, 金子幸弘, 梅山 隆, 田辺公一, 大野秀明
  • 雑誌名: 感染症 巻: 42 ページ: 172-175
• [学会発表] 低用量の併用によりCandida albicansのFLCZ感受性を低下させる薬剤の作用機序解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 浦井 誠, 金子幸弘, 梅山 隆, 田辺公一, 大野秀明, 宮﨑義継
  • 学会等名: 真菌症フォーラム第15回学術集会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] 難治性感染症の克服に向けて (2014)
  • 著者名/発表者名: 金子幸弘
  • 学会等名: Infection Forum in Nagasaki
  • 発表場所: 長崎
  • 招待講演
• [学会発表] Candida albicansのアゾール感受性に対する併用薬の影響と作用機構に関する検討 (2013)
  • 著者名/発表者名: 浦井 誠, 金子幸弘, 田辺公一, 梅山 隆, 大野秀明, 宮﨑義継
  • 学会等名: 第57回日本医真菌学会総会・学術集会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] マウス緑膿菌性肺炎モデルにおけるN-アシルホモセリンラクトナーゼaiiMの効果 (2013)
  • 著者名/発表者名: 右山洋平, 栁原克紀, 金子幸弘, 賀来敬仁, 原田陽介, 山田康一, 長岡健太郎, 森永芳智, 宮崎泰可, 中村茂樹, 今村圭文, 泉川公一, 掛屋 弘, 田代隆良, 河野 茂
  • 学会等名: 第47回緑膿菌感染症研究会
  • 発表場所: 札幌
• [学会発表] 酸性バチルス溶菌酵素の探索 (2013)
  • 著者名/発表者名: 湯川清孝, 森 梢, 金子幸弘, 高木瑛実子, 秦田勇二
  • 学会等名: 日本農芸化学2013年度大会
  • 発表場所: 仙台
• [学会発表] COX阻害剤によるCandida albicansの抗真菌薬感受性変化と排出ポンプ発現誘導 (2012)
  • 著者名/発表者名: 金子幸弘, 田辺公一, 梅山 隆, 大野秀明, 宮﨑義継
  • 学会等名: 第56回日本医真菌学会総会・学術集会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] シンポジウム10 バイオフィルム研究をめぐる最近の潮流 （学際企画） 4）真菌バイオフィルム (2012)
  • 著者名/発表者名: 金子幸弘
  • 学会等名: 第61回日本感染症学会東日本地方回学術集会/第58回日本化学療法学会東日本支部総会/第95回日本細菌学会関東支部総会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] 新規抗真菌併用薬の探索 (2012)
  • 著者名/発表者名: 金子幸弘, 大野秀明, 宮﨑義継
  • 学会等名: 第86回日本感染症学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 長崎
• [学会発表] Nested PCR for diagnosis of histoplasmosis (2012)
  • 著者名/発表者名: Ohno H, Tanabe K, Kaneko Y, Umeyama T, Yamagoe S, Miyazaki Y
  • 学会等名: 18th Congress of the International Society for Human and Animal Mycology
  • 発表場所: Berlin, Germany
• [学会発表] Multi-locus sequence typing epidemiology of Cryptococcus neoformans strains clinically isolated in Japan (2012)
  • 著者名/発表者名: Umeyama T, Ohno H, Tanabe K, Kaneko Y, Yamagoe S, Miyazaki Y
  • 学会等名: 18th Congress of the International Society for Human and Animal Mycology
  • 発表場所: Berlin, Germany
• [学会発表] Fungicidal effectiveness against biofilms of Candida albicans (2012)
  • 著者名/発表者名: Kaneko Y, Miyagawa S, Takeda O, Hakariya M, Ohno H, Miyazaki Y
  • 学会等名: 6th ASM conference of biofilms
  • 発表場所: Miami, USA
• [学会発表] 質量顕微鏡によるIgA腎症モデルの病態解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 金子幸弘, 小畑陽子, 西野友哉, 掛屋 弘, 瀬藤光利, 宮﨑義継, 古巣 朗, 河野 茂
  • 学会等名: 第109回日本内科学会
  • 発表場所: 京都
• [学会発表] N-Acyl homoserine lactonase （AiiM）による緑膿菌の病原性制御 (2012)
  • 著者名/発表者名: 右山洋平, 栁原克紀, 金子幸弘, 原田陽介, 山田康一, 長岡健太郎, 森永芳智, 宮崎泰可, 中村茂樹, 今村圭文, 泉川公一, 掛屋 弘, 山本善裕, 田代隆良, 上平 憲, 河野 茂
  • 学会等名: 第60回日本化学療法学会学術集会.
  • 発表場所: 長崎
• [学会発表] 北米流行型Cryptococcus gattii株の病原性、病原因子の解析-国内臨床分離株を中心に- (2012)
  • 著者名/発表者名: 大野秀明, 田辺公一, 杉田 隆, 畠山修司, 大久保陽一郎, 金子幸弘, 梅山 隆, 山越 智, 金城雄樹, 渋谷和俊, 亀井克彦, 宮﨑義継
  • 学会等名: 第86回日本感染症学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 長崎
• [学会発表] Cryptococcus gattii感染症における病理組織学的解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 渋谷和俊, 大久保陽一郎, 大野秀明, 宮﨑義継, 田辺公一, 金子幸弘, 山越 智, 梅山 隆, 安藤常浩, 若山 恵
  • 学会等名: 第86回日本感染症学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 長崎
• [学会発表] Aspergillus fumigatus 分泌蛋白質 B-11 の病原性の解析とサンドイッチ ELISA 系の構築 (2012)
  • 著者名/発表者名: 山越 智, 梅山 隆, 田辺公一, 金子幸弘, 大野秀明, 宮﨑義継
  • 学会等名: 第86回日本感染症学会総会・学術講演会
  • 発表場所: 長崎
• [学会発表] 感染症総合管理1a 「カビが起こす重篤な感染症」 (2012)
  • 著者名/発表者名: 金子幸弘
  • 学会等名: 知の市場
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] Candida glabrataの鉄欠乏における遺伝子発現調節 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田辺公一, 名木 稔, 梅山 隆, 金子幸弘, 山越 智, 大野秀明, 宮﨑義継
  • 学会等名: 第61回日本感染症学会東日本地方回学術集会/第58回日本化学療法学会東日本支部総会/第95回日本細菌学会関東支部総会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] マウス肺クリプトコッカス症モデルを用いた感染防御ならびに構築変換の解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 大久保陽一郎, 大野秀明, 篠崎 稔, 宮﨑義継, 根本哲生, 若山 恵, 栃木直文, 笹井大督, 石渡誉郎, 中山晴雄, 下平佳代子, 田辺公一, 金子幸弘, 梅山 隆, 山越 智, 職 玉珠, 北原加奈子 他
  • 学会等名: 第56回日本医真菌学会総会・学術集会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] Candida glabrataの生体内における病原因子; 鉄欠乏における遺伝子発現調節 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田辺公一, 梅山 隆, 金子幸弘, 山越 智, 大野秀明, 宮﨑義継
  • 学会等名: 第56回日本医真菌学会総会・学術集会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] Aspergillus fumigatusの細胞壁、分泌蛋白質B-11の機能解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 山越 智, 梅山 隆, 田辺公一, 金子幸弘, 橋本ゆき, 大野秀明, 宮﨑義継
  • 学会等名: 第56回日本医真菌学会総会・学術集会
  • 発表場所: 東京
• [学会発表] Candida glabrataの生体内における病原因子： 鉄欠乏における遺伝子発現調節 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田辺公一, 梅山 隆, 金子幸弘, 山越 智, 大野秀明, 宮﨑義継
  • 学会等名: 第56回日本医真菌学会総会・学術集会
  • 発表場所: 東京
• [図書] 深在性真菌症の診断・治療ガイドライン 2014 (2014)
  • 著者名/発表者名: 深在性真菌症の診断・治療ガイドライン作成委員会編.
  • 総ページ数: 261
  • 出版者: 協和企画
• [図書] 目で見る真菌と真菌症 (2014)
  • 著者名/発表者名: 金子幸弘, 浦井誠, 宮﨑義継
  • 総ページ数: 216
  • 出版者: 医薬ジャーナル社
• [図書] 深在性真菌症の診断・治療ガイドライン2014 (2014)
  • 著者名/発表者名: 深在性真菌症のガイドライン作成委員会編
  • 総ページ数: 261
  • 出版者: 協和企画
• [備考] 大阪市立大学大学院医学研究科細菌学教室ホームページ
  • URL: http://www.med.osaka-cu.ac.jp/bacteriology/index.shtml