研究課題/領域番号 |
24791172
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
村岡 聡介 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70583657)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2013年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2012年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 皮膚腫瘍学 / NACC1 / HDAC6 / アセチル化 / cortactin / 免疫染色 / 皮膚科学 / FAK / tubulin |
研究概要 |
核ー細胞質シャトル蛋白質NACC1 (nucleus accumbense associated 1)の浸潤、転移能のかかる分子機構を明らかにするために、細胞生物学的解析を行った。NACC1は細胞質内ヒストンディアセチラーゼHDAC6 (histone deacetylase 6)と結合し、協調して作用していた。NACC1の発現抑制は悪性黒色腫の運動、浸潤能を有意に低下させた。NACC1の発現抑制はHDAC6抑制と同じ形質を示した。FAK、RAC1の発現、リン酸化状態には影響を与えなかった。NACC1の翻訳後修飾は、K167の部位で生じていたがRAC1との結合は確認されなかった。解析した標的分子のうちαチューブリン、cortactinのアセチル化は亢進しNACC1の発現抑制による細胞運動能の低下は、この両分子のhyperacetylationに依存すると考えられた。cortactinの安定化は、細胞1個当たりのFocal adhesionの数、面積の増加を誘導した。免疫阻組織学的に原発巣のcortactinの発現について検討したが、リンパ節転移、遠隔転移との関連を示した。NACC1はHDAC6とcomplexを作り、cortactin、αチューブリンのアセチル化を制御することで、悪性黒色腫の浸潤、転移能に関与している事が明らかとなり、現在論文を作成中である。次年度以降は、免疫組織学的解析によりNACC1のバイオマーカとしての意義を検証したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
達成度は研究全体の70%程度であり、現在論文を作成投稿中である。Focal adhesionの著しい増加があり、FAの構成蛋白であるFAKに変化が生じると思われたが、予想に反してFAKには変化がなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、細胞生物学的データを補完しさらに原発巣での生化学的解析、免疫組織化学染色によるNACC1のバイオマーカーとしての意義を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,上記の研究に必要な生化学的試薬、チップチューブ、ガラス器具、ならびに抗体を購入する。加えて、論文の校正料、別冊代金を請求した。
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