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IL-17による乳癌微小環境形成と転移促進作用の機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 24791373
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 外科学一般
研究機関三重大学

研究代表者

齋藤 佳菜子  三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90447871)

研究期間 (年度) 2012
研究課題ステータス 中途終了 (2012年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2013年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2012年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワードIL-17 / マクロファージ / 肺転移 / Foxp3+T細胞
研究概要

IL-17は、癌周辺の炎症と血管増生を誘導することで癌細胞の増殖を促進する反面、細胞傷害性T細胞の活性化を介して腫瘍抑制的にも作用する。一方、癌の転移におけるIL-17の役割は殆ど明らかになっていない。癌の転移は「浸潤能の獲得」「浸潤」「血管内流入」「血中での生存」「血管外流出」「遠隔組織での増殖」のステップからなる。申請者はマウス乳癌自然転移株4T1をIL-17欠損マウス乳腺内に同所移植したところ、著明に肺転移が抑制されることを見いだした。そこで、本研究ではIL-17が転移のどの相に影響するか調べるために、4T1細胞を野生型およびIL-17欠損マウスにそれぞれ静脈内移入した。その結果、両群で生存に差を認めなかった。このことより、IL-17の肺転移促進作用は転移形成の早期(血管内流入まで)に何らかの作用を及ぼすと考えられた。
次に、転移形成の早期段階での腫瘍環境について調べるために、担癌14日目および21日目に腫瘍組織を摘出し、コラゲナーゼ処理にて単細胞に分離し、フローサイトメトリーを用いて腫瘍浸潤細胞を解析した。その,結果14日目の時点で野生型とIL-17欠損マウスではCD11b+Ly6C+単球とCD11b+F4/80+マクロファージの比率が異なり、IL-17欠損マウスではF4/80マクロファージへの分化が遅れることが示唆された。21日目では両群ともF4/80+マクロファージが大部分を占めていた。また、腫瘍局所に浸潤するリンパ球を解析したところ、14日目の時点で1L-17欠損マウスにおいて明らかにFoxp3+制御性T細胞の浸潤が減少していた。同時に、所属リンパ節と脾臓細胞を解析したが、腫瘍局所と同様の結果が得られた。
申請者は腫瘍浸潤マクロファージに着目し、このマクロファージの表面マーカーを解析した。その結果、IL-17欠損マウス腫瘍に浸潤するマクロファージは野生型に比べてCD206(mannose receptor)の発現が低く、class II発現が高く、よりM2マクロファージの性質を帯びていることが示唆された。これらの結果から、IL-17は腫瘍局所において、M2マクロファージへの分化を促進することで転移を促進する機序が示唆された(第71回日本癌学会学術総会ポスター発表)。

報告書

(1件)
  • 2012 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] IL-17による癌微小環境と転移早期相での促進作用の機序解明2012

    • 著者名/発表者名
      斎藤佳菜子
    • 学会等名
      第71回日本癌学会学術総会ポスター発表
    • 発表場所
      ロイトン札幌
    • 年月日
      2012-09-19
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] IL-17 involvement in shaping the tumor microenvironment that promotes early step of tumor metastasis2012

    • 著者名/発表者名
      Kanako Saito
    • 学会等名
      Keystone Symposia 40^<th>. The role of Inflammation during Carcinogenesis
    • 発表場所
      Royal Society Dublin Dublin, Ireland
    • 年月日
      2012-05-23
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書

URL: 

公開日: 2013-05-31   更新日: 2019-07-29  

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