今回、独自に開発した生体吸収性ポリマーシート(BAPS)を用い、膀胱壁が再生可能かを検討した。ブタの膀胱を様々な大きさに部分切除した後に、同等にトリミングしたBAPSを移植し、肉眼的、組織学的に評価した。その結果、膀胱壁部分切除後にBAPSの移植により膀胱壁を良好に再生させることが可能であった。しかし、より広範囲の欠損ではBAPSの著しい収縮のため、膀胱容量の確保が問題となった。しかし移植後の膀胱の形状を維持する工夫を施したところ、早期に良好な膀胱再生が得られた。本素材を用いることにより、膀胱壁欠損分に代替素材をパッチ状に移植するという新規治療開発の可能性が示された。
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