研究課題
若手研究(B)
治療困難な脊髄悪性神経膠腫に対する新規治療開発を行った。まず、脊髄に直接薬剤を送達した際の動態を観察すべく、正常ラット脊髄に蛍光色素を注入した。この方法で運動障害を引き起こす事なく安全に薬剤送達が可能、薬剤送達範囲が注入量の3.5倍に達するとの結果を得た。さらに、抗悪性腫瘍薬ACNUの脊髄組織毒性を検証し、ACNU1.0mg/mLが脊髄での適正かつ最大の耐用濃度であることが判明。その後脊髄腫瘍モデルへのACNU薬剤送達治療を実施し、16匹中4匹において下肢運動機能の保全ならびに脊髄腫瘍の増大抑制が確認された。脊髄悪性神経膠腫に対してACNUの脊髄直接注入法が新規治療になりうる可能性が示された。
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