研究課題
若手研究(B)
ほ乳類の胎生早期においては、皮膚損傷後に瘢痕を残さず再生することが知られているが、そのメカニズムの詳細については不明である。本研究では、胎生中期から後期にかけて、創傷治癒過程における血管およびリンパ管の新生様式がどのように変化するかに注目して検討を行った。胎生15日目以前には明らかな管腔構造をもつ血管やリンパ管構造が乏しく、創傷治癒過程においても同様であった。また、胎生15日目以前に創部へ集積するマクロファージはそれ以降のものと比較して大型であり、表面抗原にも相違を認めた。このことから胎生早期の創部では性質の異なるマクロファージが他の機能を補完している可能性が推測された。