研究課題
若手研究(B)
口腔癌において、初期の微小浸潤を病理組織学的に確定することは困難である。そこで細胞外基質(ECM)の産生・沈着状況に注目し、非浸潤状態である異型上皮・上皮内癌と浸潤癌とのECM発現を比較して、浸潤に特徴的なECM動態を検討した。その結果、上皮内癌では、HE染色にて基底膜領域の肥厚が高頻度に確認され、免疫組織化学的には基底膜構成ECM分子の過剰沈着が確認された。また異型上皮や上皮内癌では上皮層内にパールカンが異常沈着しているのに対し、浸潤癌ではパールカンの癌間質への分布が強調され、このECM分子沈着領域のスイッチング現象が微小浸潤の指標となることが明らかとなった。
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