本研究では、入院患者を対象にエビデンスに基づく簡易な転倒転落アセスメントツールを開発することを目的とした。先行研究および臨床家との話し合いを基に転倒転落リスクの評価表(23項目)を作成し、その評価が看護師間で一致するかを検証したところ、20項目で「ほぼ完全な一致」となった。しかし、項目表現の簡素化により、認知機能の評価などが難しくなったとの意見があった。 次に、具体的な患者への質問内容が記載されているA病院の評価表から17項目を精選する方法で簡易化を試みた。この17項目を2010年4~9月の入院患者集団で検証した結果、感度0.82、特異度0.72と良好な予測妥当性が得られた。
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