本研究の最終的な目標は、がん看護において実践したタッチのプロセスと質を看護師自身が評価できるクリティークツールを開発し、タッチを看護ケアの方略として確立することである。平成25年度は、昨年度の結果を踏まえ、臨床判断のプロセスを「PhaseI:状況のアセスメントとタッチの適否の判断」、「PhaseII:目的に応じたタッチの実践と評価」の2つの局面に分け、クリティーク項目の分類・精選を行った。 PhaseIの共通カテゴリーは「タッチの適否の判断」であり、(患者の特性、患者との関係性、タッチのタイミング)の3つの視点からクリティーク項目を構成した。また、サブ項目の「状況のアセスメント」については、‘症状緩和’‘心理的支援’‘関係性の構築’の場面ごとにクリティーク項目を構成するとともに評価基準を検討した。PhaseIIの共通カテゴリーは「タッチの選択」であり、(タッチの部位、タッチの方法、タッチの時間)の3つの視点でクリティーク項目を構成した。また、サブ項目の「体験の融合」「実践したタッチの評価」については、場面ごとにクリティーク項目を構成し評価基準を設定した。タッチの評価は(例えば症状緩和についてはNRSなど)、状況のアセスメントとリンクさせて項目を整理した。 今後の研究の方向性として、実際の看護場面で生じたタッチについて、作成したツールを使用した看護師自身によるプロセスクリティークを重ね、ツールの妥当性について検証する必要があると考える。
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