研究課題
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ナノファイバーは、表面が大きく、生物物質の透過性、生体成分の浸潤性などが優れているし、細胞の固着・移動・増殖に最適な3次元多孔性構造で組織の複製及び再生に適した細胞足場材料である。しかし、機械的強度が弱く電気的に絶縁という欠点がある。本研究では、良導電性・高機械的強度・光学活性、そして高生化学活性を持つムール貝由来接着タンパク質で孤立分散させた二層カーボンナノチューブ溶液を添加し、電気紡糸方法を用いて3次元のナノファイバーシートの製造に成功した。もっと詳しく説明するとプローブ型超音波処理で得られた分散溶液は光学的分析を用いて二層カーボンナノチューブが孤立的に分散されるのを確認した。溶液中のナノチューブの表面状態や長さなどが分散状態に与える影響も検討した。また分子量が大きいムール貝由来接着タンパク質は高い分散能力を示した。ムール貝由来接着タンパク質でコーテイングされたナノチューブ溶液を材料とし電気紡糸装置を用いてナノファイバーシートを製造できた。また紡糸する際のドラムの回転速度を変化させることでナノファイバーの配向や、孤立したチューブの配向度の調整も可能であった。ムール貝由来接着タンパク質とナノチューブ溶液、そして微量の架橋材を添加した溶液からナノファイバーシートの製造もできた。さらに、また、ムール貝由来接着タンパク質とナノチューブ溶液、そして微量の架橋材を添加した溶液から電気紡糸によりナノファイバーシートの製造ができるのを確認した。さらに、TEM観察からナノチューブは長さ方向に配向していることを確認した。機能性ナノファイバーシートが骨組織の細胞足場材料としての可能性を確認した。
(抄録なし)
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Journal of Nanoscience and Nanotechnology
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