本研究は、知的障害がある子どもにおける数概念発達のプロセスを、人間による数の操作活動として起源の古い均等配分行動との関連から明らかにしようとしたものである。一度に配る個数や順番のある・なしによって子どもの方略が分けられ、数える力や多少等を判断する力と関連しながら発達することが見いだせた。通常、4歳後半には数えることの意味を理解していくと言われており、対象者の知的障害のある子どもは、精神年齢が5歳かつ絵画語彙発達検査による語彙年齢が6歳であっても、修正方略に数を用いなかった。今後はデータ数を増やし、課題が最終状態に至るまでを細かく検討していく必要性がある。
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