大阪府では、市場主義と親和性の高い教育改革が進行中である。なかでも、高等学校の入試のあり方はこの数年で様変わりした。それにより、中学校の進路指導がどのように影響を受けているかを明らかにすることが本研究の目的である。 中学校教師や高校教師にインタビューを行った結果、前期入試の拡大や、進路日程の前倒しなどの制度変更には対応しきれていない現状が明らかになった。また、成績や「入りやすさ」によって、生徒が簡単に進路を決めるケースも増えている。それに対し、時間的余裕を失った教師たちは、生徒に「迫る」こともできなくなっているという。 義務教育において、選抜機能が肥大化しすぎる懸念がある。
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