研究成果の概要 |
本研究では, 細胞運動に関連した自由境界問題を扱い, 進行波解(一定の形状、速度で動く解)の多重存在を確認した. この結果は, 細胞が一定の形状と速度で動いている様子を表すものがモデルで確認できることを意味する. このような運動はケラトサイトなどに観察される. 同様に, 定常解の存在を確認し, 解は球対称で2つのみであることを確認した. この結果は十分時間がたったとき, 細胞の形状は適当な大きさの円板に近づくを意味する. なお, 本研究で扱った自由境界問題を計算機で表現しようと, 反応拡散系近似を試みたが困難であった. そこで, 反応拡散系近似の理論拡張を行い一定の成果を得た.
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