研究課題/領域番号 |
24840046
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
森田 健 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 博士研究員 (40456752)
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研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2013年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2012年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超弦理論 / ゲージ理論 / 一般相対性理論 / 素粒子論 / 非平衡物理 |
研究概要 |
本研究では主に超対称性U(N)ゲージ理論の熱力学的な性質の解析を行った。一般に有限温度のゲージ理論の自由エネルギーは弱結合ではステファン・ボルツマンの法則に従うことが知られている。しかし強結合のゲージ理論の自由エネルギーの振る舞いは解析するのが困難なため、弱結合のように一般的な法則が存在するのかは理論物理学における大きな問題であった。しかし超弦理論におけるゲージ/重力対応を用いると、超対称性ゲージ理論の強結合での自由エネルギーを重力理論を用いて予言することができ、それによるとゲージ理論の自由エネルギーがブラックホールの「エントロピー面積則」と呼ばれる公式に従うことが予測されていた。そこでこの予測が正しいのか直接的に超対称性ゲージ理論を解析することで、検証する試みが長年行われてきた。 私はこの問題に対して、超対称性ゲージ理論のモジュライ場と呼ばれる場の自由度が強結合において重要な役割をしていることを解明し、モジュライ場の熱的な振る舞いから、エントロピーの面積則を再現することに成功した。この結論は次の3つの意味で非常に意義がある。 1. 有限温度における超対称性ゲージ理論の強結合の振る舞いがエントロピーの面積則に従う物理的な機構が理解できた。 2. この結果は一般相対性理論におけるブラックホールエントロピーの面積則の期限をミクロな場の理論的な視点から説明するものである。これは量子重力における大きな進展である。 3. 超対称性ゲージ理論は超弦理論における弦やD膜、M理論におけるM膜といった様々な膜を記述する理論であることが知られている。そのための本研究を通してこれらの膜の有限温度での振る舞いが理解できた。特にこれまでのM膜の理解はかなり限られたものしかなかったがその性質が解明されたのは超弦理論において非常に重要である。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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