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減数分裂進行速度を調節する新規因子Neuregulin1の解析

研究課題

研究課題/領域番号 24880026
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分補助金
研究分野 応用動物科学
研究機関広島大学

研究代表者

川島 一公  広島大学, 生物圏科学研究科, その他 (40633946)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
研究課題ステータス 採択後辞退 (2013年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2013年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2012年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード卵 / Neuregulin1 / 顆粒膜細胞 / 卵丘細胞 / Floxマウス / Cyp19-Creマウス / Connexin43
研究概要

生殖組織のCyp19発現細胞特異的にNRG1遺伝子をノックアウト可能なNrg1^<flox/flox>Cyp19-Creを用いて,雌個体で共に産子数が減少するという形質の分子メカニズムの一端を明らかにすることに成功した.雌個体は,平均産子数は有意に低く,卵はM2停止能を欠失していた.しかし,NRG1を欠損している細胞は顆粒層細胞(GC)であること,NRG1の受容体であるErbB2/3は卵には発現していないことから,NRG1の刺激を受けたGCが何らかの因子を分泌し,卵に影響を及ぼしているのではないかと考えられた.通常,田刺激後,排卵までに16時間を要するが,その中から影響を及ぼす時間を特定するために,卵の減数分裂進行速度を観察した.結果,NRG1ノックアウトマウスは,LH刺激2時間で既に減数分裂を再開させていた.これらの結果から,LH刺激後に分泌されるNRG1は,遺伝子発現を介さず,シグナル系で卵に作用している可能性が示唆された.
以上の結果から,シグチル系のハブであるPKA,PKB,PKCの活性を測定したところ,PKC活性が野生型と比較して有意に増加していた.次に体外培養を用いて,PKC上流のCa活性を測定したところ,NRG1存在化で,Caの増加が抑制されていた.このCa→PKC経路は,減数分裂再開を誘起する卵と顆粒層細胞の細胞接着部位に存在する小分子交換タンパクConnexin43(Cx43)の閉鎖を誘起することが知られている.したがって,Cx43の閉鎖を示すリン酸化特異的抗体を用いて野生型とノックアウト型をWestern Blottingによって比較したところ,ノックアウトマウスでリン酸化されたCx43の強いシグナルがえられた.これらの結果からCa→PKC→Cx43閉鎖が卵の減数分裂に及ぼしている可能性が示唆されたため,PKCの抑制剤を投与したマウスで減数分裂速度を観察したところ,NRG1ノックアウトマウスは野生型と同様の進行速度を示した.これらの結果は,既存の卵体外培養家で問題となっていた,減数分裂の早期再開による卵の低発生率の原因一端を解明し,改善が可能になることを示唆している.今後は,家畜卵の体外培養系にNRG1を添加し.その発生率を検討していく.

報告書

(1件)
  • 2012 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] EGF-like factors induce expansion of the cumulus cell-oocyte complexes by activating calpain-mediated cell movement.2012

    • 著者名/発表者名
      Kawashima, et al.
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 153 号: 8 ページ: 3949-3959

    • DOI

      10.1210/en.2012-1059

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Endogenous acetaldehyde toxicity during antral follicular development in the mouse ovary2012

    • 著者名/発表者名
      Kawai, et al
    • 雑誌名

      Reproductive Toxicology

      巻: (In press) 号: 3 ページ: 322-330

    • DOI

      10.1016/j.reprotox.2012.01.001

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 顆粒膜細胞特異的Neuregulin1欠損マウスは,卵のMII停止能が低く,妊孕性が低下する2012

    • 著者名/発表者名
      川島一公
    • 学会等名
      生殖内分泌学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2012-12-06
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] ライディッヒ細胞特異的Neuregulin1欠損マウスにおける精子形成不全2012

    • 著者名/発表者名
      川島一公
    • 学会等名
      日本受精着床学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2012-08-30
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書

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公開日: 2012-11-27   更新日: 2019-07-29  

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