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ポルフィリン誘導体による有機リン剤センサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24915018
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 化学
研究機関石川県警察本部刑事部科学捜査研究所

研究代表者

村上 貴哉  石川県警察本部刑事部科学捜査研究所, 技術職員

研究期間 (年度) 2012
研究課題ステータス 完了 (2012年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
2012年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードポルフィリン / 有機リン剤 / 化学センサー
研究概要

コリンエステラーゼ拮抗作用により神経毒性を発揮する有機リン剤(OP)は農薬や殺虫剤、さらには化学兵器である神経ガスにも利用されており、これらによる自他殺、傷害、変死等の中毒事案は世界的にも無視できない問題となっている。一般にOPは加水分解されやすく不安定なため、残留環境や分析操作によっては元の分子構造を損ないかねない。そのため、事件・事故の直接的な原因物質の特定に現場検知もしくは本検査着手前の予備検査は非常に重要である。そこで本研究では、センシング材料として多様な分光特性を有するポルフィリンに着目し、OPを簡易的かつ迅速、さらには目視によって明瞭に検知可能なセンサーに構築することを目的とした。
各種官能基(カルボキシル基、スルホ基、アミノ基、水酸基)や中心鋸を有するポルフィリン誘導体をセンシング材料として、分光光度滴定法による紫外可視分光分析および蛍光発光分析を行った。
紫外可視分光分析では、OPの添加に伴い、いずれのポルフィリン誘導体においても化学量論的な平衡反応に由来するスペクトル変化が観測され、Soret帯は大きく長波長シフトした(溶液は桃色から緑色に変化)。この反応は非常に迅速であり、得られたスペクトル形状およびその吸光度変化は特異的なものであった。蛍光発光分析ではコンプレックス形成による消光反応が観測されたことから、本系は吸収・発光の両面からのセンシングが可能であることが明らかとなった。さらに、上記の分光分析に用いた溶液についてガスクロマトグラフィー質量分析を実施したところ、夾雑ピークなくOPのマススペクトルを得ることができ、予備検査に用いた試料溶液を機器分析にも共用できるという高い有用性も見出された。
本研究は検出感度や選択性等のセンシング能向上のため今後も継続していく予定である。

報告書

(2件)
  • 2012 実績報告書
  • 研究成果発表報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Highly Sensitive Detection of Organophosphorus Pesticides Using 5,10,15,20-Tetrakis(4-hydroxyphenyl)porphyrin2015

    • 著者名/発表者名
      Takaya Murakami, Yoshiaki Iwamuro, Satoshi Chinaka, Nariaki Takayama, Teruyuki Komatsu
    • 雑誌名

      Analytical Sciences

      巻: 31 号: 12 ページ: 1325-1328

    • DOI

      10.2116/analsci.31.1325

    • NAID

      130005129731

    • ISSN
      0910-6340, 1348-2246
    • 関連する報告書
      研究成果発表報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 水酸基を有するテトラフェニルポルフィリンの有機リン系農薬添加による吸光変化と錯形成反応の解析2014

    • 著者名/発表者名
      村上貴哉, 岩室嘉晃, 地中啓, 高山成明, 小松晃之
    • 学会等名
      日本分析化学会第63年会
    • 発表場所
      広島大学(広島県)
    • 年月日
      2014-09-17
    • 関連する報告書
      研究成果発表報告書
  • [学会発表] 有機リン剤存在下におけるポルフィリン誘導体の分光特性の変化2013

    • 著者名/発表者名
      村上 貴哉, 小松 晃之
    • 学会等名
      日本分析化学会第62年会
    • 発表場所
      近畿大学(大阪府)
    • 年月日
      2013-09-12
    • 関連する報告書
      研究成果発表報告書

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公開日: 2013-05-31   更新日: 2019-07-29  

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