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神経障害性疼痛に対する生体レジリエンス機構の解明と診断・治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24H00067
研究種目

基盤研究(S)

配分区分補助金
審査区分 大区分I
研究機関九州大学

研究代表者

津田 誠  九州大学, 薬学研究院, 教授 (40373394)

研究分担者 藤井 敬之  九州大学, 医学研究院, 助教 (30822481)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2029-03-31
研究課題ステータス 交付 (2025年度)
配分額 *注記
203,710千円 (直接経費: 156,700千円、間接経費: 47,010千円)
2025年度: 41,860千円 (直接経費: 32,200千円、間接経費: 9,660千円)
2024年度: 41,340千円 (直接経費: 31,800千円、間接経費: 9,540千円)
キーワード神経障害性疼痛 / 脊髄 / ミクログリア / 多様性 / レジリエンス
研究開始時の研究の概要

神経系の障害により発症する神経障害性疼痛には有効な治療法がないため、その克服に向けた疼痛の慢性化機序の解明が求められている。代表者は最近、神経障害性疼痛モデルマウスの脊髄において痛みの慢性化を抑止する細胞(CD11c陽性ミクログリア)を発見した。本研究では、同細胞の誘導・機能獲得・神経制御機構を解明し、さらに慢性疼痛との関連性をヒトで検証することで、神経障害性疼痛に対する生体レジリエンス機構を明らかにし、新たな診断・治療法の開発に向けた基盤の構築を目指す。

研究実績の概要

本年度は、以下の3項目(項目①③④)の検討を行った。
項目①CD11c陽性ミクログリアの起源細胞の同定: 脊髄のミクログリアは複数のサブセットで構成されるが、その中に胎生期や生後早期に一旦CD11c陽性となった経験を持つ細胞が含まれる可能性を細胞運命追跡解析にて検討する。本年度は、同実験の条件検討として、CD11c-CreERT2;Rosa-tdTマウスの成体期に神経損傷を施し、脊髄でCD11c陽性ミクログリアが出現する時期にタモキシフェンを投与してtdT陽性細胞を観察した。その結果、一部のミクログリアがtdT陽性となることを確認し、同マウスを用いたCD11c陽性細胞運命追跡が可能であることが示唆された。
項目③CD11c陽性ミクログリアと他細胞との相互作用による疼痛抑制機序の解明: CD11c陽性ミクログリア由来IGF1の疼痛寛解作用に重要なIGF1Rの発現細胞種を同定するため、本年度はアストロサイトとミクログリア特異的IGF1R欠損マウスを作製した。その結果、いずれの細胞種特異的欠損マウスにおいて疼痛行動の寛解に影響は認められなかった。また、他の細胞種(オリゴデンドロサイトおよび一次求心性神経など)についてもマウスの作製を開始した。さらに、神経障害後の疼痛症状が自然に寛解しない動物モデルにおいて、CD11c陽性ミクログリアの出現率が低いことも明らかにした。
項目④神経障害性疼痛患者におけるCD11c陽性ミクログリアの解析: 九州大学病院にて保存されている神経障害性疼痛患者の脊髄病理組織の解析に先立ち、本年度は対照群となる非疼痛患者の脊髄病理組織を用い、IBA1やP2Y12R、およびCD11c抗体を用いた免疫組織染色を行った。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の実施項目として計画した内容を遂行し,その中で複数の成果を得た。特に、IGF1Rの発現細胞腫としてアストロサイトとミクログリアが含まれていたが、これらに特異的な遺伝子欠損マウスでは疼痛行動に変化が認められなかった。さらに、神経障害後の疼痛症状が自然に寛解しない動物モデルではCD11c陽性ミクログリア細胞数が有意に少ないことから、同細胞が神経障害後の神経系の異常に対するレジリエンス機構にかかわることを支持する重要な成果となった。

今後の研究の推進方策

令和7年度の交付申請書の各項目(以下)に従って順次予定通り実施し,分子から細胞,個体レベルで包括的に研究を進めていく。
(1)過去にCD11c陽性を経験した成体期CD11c陰性ミクログリアにおけるCD11c陽性への遷移潜在性をゲノムレベルで捉えるための基盤づくり
(2)ミクログリアのCD11c陰性から陽性への変化に関与する分子探索
(3)CD11c陽性由来IGF1による疼痛緩和作用の責任細胞の同定
(4)神経障害性疼痛患者の脊髄病理組織を用いたCD11c陽性ミクログリアの解析や髄液中の細胞解析

報告書

(3件)
  • 2024 研究概要(採択時) ( PDF )   審査結果の所見   実績報告書
  • 研究成果

    (22件)

すべて 2025 2024 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Interleukin-4 induces CD11c+ microglia leading to amelioration of neuropathic pain in mice2025

    • 著者名/発表者名
      Kohno Keita、Shirasaka Ryoji、Hirose Keita、Masuda Takahiro、Tsuda Makoto
    • 雑誌名

      eLife

      巻: -

    • DOI

      10.7554/elife.105087.1

    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Prenatal inflammation impairs early CD11c-positive microglia induction and delays myelination in neurodevelopmental disorders2025

    • 著者名/発表者名
      Fuma Kazuya、Iitani Yukako、Imai Kenji、Ushida Takafumi、Tano Sho、Yoshida Kosuke、Yokoi Akira、Miki Rika、Kidokoro Hiroyuki、Sato Yoshiaki、Hara Yuichiro、Ogi Tomoo、Nomaki Kohei、Tsuda Makoto、Komine Okiru、Yamanaka Koji、Kajiyama Hiroaki、Kotani Tomomi
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 8 号: 1 ページ: 75-75

    • DOI

      10.1038/s42003-025-07511-3

    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] IRF8 and MAFB drive distinct transcriptional machineries in different resident macrophages of the central nervous system2024

    • 著者名/発表者名
      Yamasaki Ayato、Imanishi Iroha、Tanaka Kaori、Ohkawa Yasuyuki、Tsuda Makoto、Masuda Takahiro
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 7 号: 1 ページ: 896-896

    • DOI

      10.1038/s42003-024-06607-6

    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A method for selective and efficient isolation of gray matter astrocytes from the spinal cord of adult mice2024

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki Ryoma、Kohro Yuta、Tsuda Makoto
    • 雑誌名

      Molecular Brain

      巻: 17 号: 1 ページ: 25-25

    • DOI

      10.1186/s13041-024-01097-3

    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Spatiotemporal dynamics of the CD11c+ microglial population in the mouse brain and spinal cord from developmental to adult stages2024

    • 著者名/発表者名
      Nomaki Kohei、Fujikawa Risako、Masuda Takahiro、Tsuda Makoto
    • 雑誌名

      Molecular Brain

      巻: 17 号: 1 ページ: 24-24

    • DOI

      10.1186/s13041-024-01098-2

    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 正常発達過程およびアルツハイマー病モデルマウスの脳と脊髄におけるCD11c陽性ミクログリアサブセットの時空間的動態2025

    • 著者名/発表者名
      野巻昂平,藤川理沙子,増田隆博,西道隆臣,齊藤貴志,津田誠
    • 学会等名
      日本薬学会第145年会
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
  • [学会発表] インターロイキン4は脊髄CD11c陽性ミクログリアを増加させることで神経障害性疼痛を緩和する2025

    • 著者名/発表者名
      河野敬太,白坂亮二,芝田悠人,津田誠
    • 学会等名
      日本薬学会第145年会
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
  • [学会発表] 正常発達過程およびアルツハイマー病モデルマウスにおけるCD11c陽性ミクログリアの時空間解析2025

    • 著者名/発表者名
      野巻昂平,藤川理沙子,増田隆博,西道隆臣,齊藤貴志,津田誠
    • 学会等名
      第98回日本薬理学会・第102回日本生理学会・第130回日本解剖学会 合同大会(APPW2025)
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
  • [学会発表] Regulation of pain chronicity by neuro-immune crosstalk2024

    • 著者名/発表者名
      Makoto Tsuda
    • 学会等名
      第53回日本免疫学会学術集会
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 疼痛とミクログリアの研究3.02024

    • 著者名/発表者名
      津田 誠
    • 学会等名
      第46回日本疼痛学会
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] グリア細胞から痛みの慢性化機序に迫る2024

    • 著者名/発表者名
      津田誠
    • 学会等名
      第66回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Microglial state transition after nerve injury and chronic pain2024

    • 著者名/発表者名
      Makoto Tsuda
    • 学会等名
      NEURO2024(第47回日本神経科学大会・第67回日本神経化学会大会・第46回日本生物学的精神医学会年会)
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
  • [学会発表] ミクログリアから見た神経損傷による痛みの慢性化機序2024

    • 著者名/発表者名
      津田誠
    • 学会等名
      第51回日本毒性学会学術年会
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] グリア細胞から見えてきた痛みの慢性化メカニズム2024

    • 著者名/発表者名
      津田誠
    • 学会等名
      第67回日本手外科学会学術集会
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Regulation of the chronicity of neuropathic pain by spinal cord microglia2024

    • 著者名/発表者名
      Makoto Tsuda
    • 学会等名
      17th Annual Meeting of the Chinese Neuroscience Society (CNS2024)
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 神経障害性疼痛モデルにおいてミエリン化一次求心性神経の損傷が脊髄ミクログリアの活性化を引き起こす2024

    • 著者名/発表者名
      芝田悠人,松本祐季,河野敬太,津田誠
    • 学会等名
      第41回日本薬学会九州山口支部大会
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
  • [学会発表] 神経障害性疼痛モデルにおける脊髄ミクログリアの活性化には有髄性一次求心性神経の損傷が関与する2024

    • 著者名/発表者名
      芝田悠人,松本祐季,河野敬太,津田誠
    • 学会等名
      第77回日本薬理学会西南部会
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
  • [学会発表] 脊髄のCD11c陽性ミクログリアを増加させることで神経障害性疼痛を緩和に導く2024

    • 著者名/発表者名
      河野敬太,白坂亮二,津田誠
    • 学会等名
      第46回日本疼痛学会
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
  • [学会発表] 有髄神経線維の傷害が脊髄ミクログリアの活性化を誘導する2024

    • 著者名/発表者名
      松本祐季,芝田悠人,河野敬太,津田誠
    • 学会等名
      第46回日本疼痛学会
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
  • [学会発表] Interleukin-4 alleviates neuropathic pain by increasing CD11c+ microglia2024

    • 著者名/発表者名
      Keita Kohno, Ryoji Shirasaka, Yuuto Shibata, Makoto Tsuda
    • 学会等名
      NEURO2024(第47回日本神経科学大会・第67回日本神経化学会大会・第46回日本生物学的精神医学会年会)
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
  • [学会発表] Spatio-temporal analysis of CD11c+ microglia from developmental to adult stages2024

    • 著者名/発表者名
      Kohei Nomaki, Risako Fujikawa, Takahiro Masuda, Makoto Tsuda
    • 学会等名
      NEURO2024(第47回日本神経科学大会・第67回日本神経化学会大会・第46回日本生物学的精神医学会年会)
    • 関連する報告書
      2024 実績報告書
  • [備考] 九州大学大学院薬学研究院薬理学分野ホームページ

    • URL

      https://life-innov.phar.kyushu-u.ac.jp/index.html

    • 関連する報告書
      2024 実績報告書

URL: 

公開日: 2024-04-05   更新日: 2025-12-26  

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