| 研究課題/領域番号 |
24H00120
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| 研究種目 |
基盤研究(A)
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| 配分区分 | 補助金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 康弘 名古屋大学, 減災連携研究センター, 教授 (70222065)
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| 研究分担者 |
齋藤 仁 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00709628)
岩佐 佳哉 福岡教育大学, 教育学部, 講師 (00981416)
岩城 麻子 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 巨大地変災害研究領域地震津波複合災害研究部門, 主任研究員 (30770309)
後藤 秀昭 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (40323183)
中田 高 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 名誉教授 (60089779)
森川 信之 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 巨大地変災害研究領域地震津波複合災害研究部門, 上席研究員 (60414413)
阪本 真由美 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 教授 (60587426)
奈良 由美子 放送大学, 教養学部, 教授 (80294180)
藤原 広行 国立研究開発法人防災科学技術研究所, その他部局等, 上席研究員 (80414407)
先名 重樹 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 巨大地変災害研究領域地震津波複合災害研究部門, 主任専門研究員 (90500447)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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| 配分額 *注記 |
47,710千円 (直接経費: 36,700千円、間接経費: 11,010千円)
2026年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2025年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2024年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
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| キーワード | 活断層 / 強震動 / ハザード評価 / ハザードマップ / 防災啓発 |
| 研究開始時の研究の概要 |
モンゴルの首都ウランバートルは90年代初頭に自由主義化した後、急速な経済発展を遂げ急速な都市化が進行する中で、都市の耐震化が遅れ、地震災害への不安が高まっている。こうした中で首都を横断するウランバートル断層(UBF)が発見され、防災施策における取り扱いが問題になっている。本研究は、活断層調査、強震動予測、防災啓発の3つの観点から、モンゴルの地震研究機関・教育機関・防災機関とも連携して、首都防災の強化に向けた取り組みを行う。さらにUBF以外の活断層に関する地震ハザード評価も行い、モンゴルの国土計画への貢献を目指す。
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| 研究実績の概要 |
活断層研究グループは、最新イベントの層準の特定を目的に、ウランバートル断層の南東部において、2023年トレンチの南東(Aサイト)と北西(Bサイト)でトレンチ掘削調査を行った。Aサイトにおいては、トレンチで確認される比較的上位の礫層に明瞭な上下変位が確認され、最新イベントの時期を特定するために有効な情報が得られた。Bサイトにおいても、下部で強風化を受けた基盤岩と堆積物が高角度の断層で接し、その上位でそれらを覆う地層に撓曲変形が確認された。年代測定の結果、3万年前以降2回であることは確実で、14000年以降2回の可能性が示唆されたた。 強震動研究チームは、ウランバートル断層で発生する地震を対象とした地震ハザード評価のための震源断層の詳細なモデル化を行うため、ウランバートル断層のトレンチ調査地点において微動アレイ観測を実施し、令和5年度に実施した単点観測の結果とあわせて断層近傍の数10m以浅の詳細な地盤構造モデルを構築した。構築した地盤モデルと断層トレースデータとあわせて地表付近の詳細な震源モデル化手法について検討した。 地震防災研究チームは、非常事態庁と連携した防災啓発ワークショップの実施と、教育省と連携した防災カルタ等の防災教材整備を通じて、ウランバートルの地震防災啓発を進められる状況に至った。この状況を利用して、今後は地震防災啓発を具体的に実施し、その中で方法論を検討・確立していくこととした。具体的にはJICAと連携した防災啓発の計画立案、非常事態庁と防災啓発番組作成の検討、JICA地震防災プロジェクトが進める耐震化プロジェクトとの連携の可能性の検討を開始した。さらにウランバートルから最も近い距離で発生した1967年モゴド地震(M7.0)の検証を実施するための準備を整えた。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
ウランバートル断層の存在は変動地形学的には確実であるが、先行して実施されてきたフランス等の研究グループが確認できずにいた。我々のカウンターパートでもあるモンゴルIAG(地球物理学研究所)とJICAは2010年頃にそれまでの知見により、ウランバートルの地震アセスメントを実施し、これが現在の地震防災計画の基礎となっている。こうした状況の中で新たに首都により大きな影響を及ぼしかねない活断層が発見されたことは大きな波紋を呼んでいる。こうした中で実施している本研究において、活断層研究グループはウランバートル断層が確実に活断層であるという事実を積み上げたことは重要である。またその結果を地震防災に活かすため、日本で標準的に実施されている強震動評価をつなげるための準備が予定通り進んでいる。 社会的な影響に配慮し、IAGや非常事態庁とは頻繁に情報交換を行い、JICAへも情報を提供している。本研究は単に活断層調査を実施するのみでなく、モンゴル政府や国際機関とも連携してモンゴルの地震防災力強化に繋げることができる情報提供を模索している。
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| 今後の研究の推進方策 |
活断層研究グループは、活動性に関する具体的データが不足している北西部のセグメント(ナラン断層)において、2箇所のトレンチ掘削調査を実施する。具体的には、ナラン共同墓地の北西に発達する逆向き(北東向き)低い断層崖を横切るトレンチを掘削し、断層変位構造の解明、断層変位を受けた新期堆積物の放射性炭素年代測定を行い、活動履歴の解明を行う。また、西北端部周辺で小トレンチを掘削し、新期堆積物の変位から活断層であることを確認する。さらに、ウランバートル周辺の他の活断層(とされているもの:Hustay断層, Songino断層,Emeelt断層,Sharkhai断層,Adar断層)について、断層変位地形の有無の確認を実施する。さらにSongino断層、Emeelt断層等について、予備的なトレンチ調査を実施する。 強震動研究チームは、令和6年度まで検討に基づき、ウランバートル断層で発生する地震を対象とした震源断層モデルを作成し、応答スペクトルの地震動予測式(例えば、Morikawa and Fujiwara, 2013)により地震動分布を計算する。必要に応じて、断層ごく近傍やウランバートル市内の地盤モデル修正のための調査・検討を実施する。 地震防災研究チームは、ウランバートルにおける地震防災啓発を非常事態庁と共同で実施する。その際にはこれまで研究代表者らが進めてきたJICA事業において開発した防災教材を適用する。また1967年モゴド地震の際のウランバートルへの影響について、資料収集を始める。
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