| 研究課題/領域番号 |
24H00146
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| 研究種目 |
基盤研究(A)
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| 配分区分 | 補助金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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| 研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
井堀 利宏 政策研究大学院大学, 政策研究科, 名誉教授 (40145652)
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| 研究分担者 |
板谷 淳一 北海道科学大学, 未来デザイン学部, 教授 (20168305)
中川 真太郎 甲南大学, 経済学部, 教授 (20522650)
小西 秀樹 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50225471)
赤井 伸郎 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 教授 (50275301)
土居 丈朗 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (60302783)
宮里 尚三 日本大学, 経済学部, 教授 (60399532)
亀田 啓悟 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (80286608)
寺井 公子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (80350213)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2026年度)
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| 配分額 *注記 |
47,580千円 (直接経費: 36,600千円、間接経費: 10,980千円)
2026年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
2024年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
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| キーワード | 非常時リスク / 財政対応 / 持続可能性 / 代替補完効果 / 政府間役割分担 / 非常時ショック / 制度の持続可能性 / コミットメント / 公共財の自発的供給 / 財政破綻リスク / ピア効果 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①非常事態の規模と時期に関する不確実性や財政出動の非効率性について、評価バイアスの影響や国際的なリスク管理のあり方を理論、実証分析する。ついで、②我が国が直面する構造的な制約要因(高齢化とシルバー民主主義、財政・社会保障制度の持続可能性、異次元金融緩和政策)の中長期的な影響を理論、実証分析する。さらに、③事前のリスク回避対応や事後的に実施される財政出動が地方政府、民間の家計や企業、金融機関などにもたらすプラス(補完)とマイナス(代替)の波及効果の実態を理論、実証の両面から評価する。こうした分析を踏まえて、非常時に適切な財政政策や財政制度の構築について研究をまとめる。
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| 研究実績の概要 |
非常時における財政対応のあり方を理論・実証分析するという本研究目的に沿って、2024年度は主として理論的なモデル分析を中心に、いくつかの課題研究を実施して、重要な成果を得た。 ①コロナ対応補正予算についてEBPM政策(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)の視点でその実態と有効性を検証した。②非常時財政対応の国際的波及効果を理論的に検討した。とくに、居住地主義に基づく所得税制下の租税競争モデルにインフラ投資と公債発行を組み入れた理論モデルを構築し、投資におけるホームバイアスや資本初期賦存量の地域間非対称性がある場合に、非常時における所得税率、公債発行額、資本移動の動向を考察した。③感染症対応としてのワクチン接種行動について、データ入手可能なインフルエンザ・ワクチンを対象としてその効果を分析した。ワクチン接種は、その接種費用のみならず、周囲の接種状況が影響を与える可能性があり、それが接種率の地域差をもたらす。周囲の接種率が高いと本人の接種確率が高くなるというプラスのピア効果を確認した。④政府間財政の視点から、非常時の財政支援を中央政府が事後的に行うモデルで、地方自治体が戦略的に行動する場合に生じる非効率性を理論的に研究した。⑤共助や自助など複数の自発的対応も存在する経済において、非常時における負のショックで貧困に陥った家計に対する所得補償という公的なセーフティ-・ネットの提供が社会厚生に及ぼす効果を検討した。⑥非常時の財政対応で将来の財政破綻リスクが増大するケースを想定して、無駄な歳出を抑制する財政健全化の枠組みがどの程度望ましいのかを政治経済学の理論モデルで考察し、最善解と次善解で財政再建の望ましい度合いが異なることを示した。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年度の研究課題は順調に進展していると判断できる。すなわち、2024年度は非常時財政対応のマクロ経済効果、公共財の自発的供給やワクチン接種などに関する研究が国際学術雑誌に公刊された。さらに、複数の研究成果をいくつかの国際学術雑誌に投稿中で、今後さらなる公刊が期待できる。また、国際学会での研究成果の報告も数多く行っており、内外の研究者から有益なコメントを得て、それを生かす形で研究を発展させている。この点でもおおむね想定通りの研究成果が得られている。研究分担者、研究協力者および海外の共同研究者との研究打ち合わせや研究活動の調整も活発に実施して、この面での研究活動もおおむね順調に進展している。 特に、理論面での研究は想定以上の成果も上げている。非常時対応の政治経済学分析では、財政破綻のコストが大きくなる場合に、次善解では財政再建努力を緩める方が望ましいという興味ある分析結果が得られた。非常時リスクへの財政対応をワクチン接種など公共財の自発的供給の視点で研究している研究課題でも、プラスの社会規範の効果を検証できた。コロナ対応の財政出動や政府間財政に関する実証分析も順調に進展している。 ただし、非常時財政対応に関する金融面での研究分野では、特に政策金融のデータの収集、整理に少し時間を要しており、この点での研究進捗状況はやや遅れている。
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年度から実証分析との関連を意識して研究分担者を2名拡充させて、非常時財政対応に関する理論分析を進めると共に、実証分析でも研究を進展させる。非常時発生後の事後的な救済措置も考慮することで、モラルハザードや時間整合性にも留意し、非常時対応の財政運営についての理論実証研究を深める。 ①非常時に過大な財政対応が生じるメカニズムを理論モデルで考察する。数年の期間で景気が変動する平時と数十年に一回生じる外生的ショックの非常時を区別することで、財政対応にどのような差が生じるかを政治経済学の視点で数値解析分析する。②動学ゲームを活用して財政対応の持続可能性と一時的政策の有効性を比較することで、非常時におけるコミットメントのあり方を理論分析する。③高齢化による自然増も考慮し、行政の効率性に関するガバナンス指標も参照しながら、政治的バイアスが予算編成にどの程度弊害をもたらすのかという視点で、非常時における財政対応が社会保障歳出などの歳出へ及ぼす中長期的な影響を理論・実証分析する。政府間財政における代替補完効果についても、データを整備して検証する。④非常時に予算規模が過大になると、財政や社会保障制度の持続可能性が危うくなる。この持続可能性への悪影響を理論・実証分析する。⑤財政の金融ファイナンスが事実上進展している現状を踏まえて,非常時のマネーファイナンスや債務のロールオーバーがもたらす財政破綻リスク、金融緩和からの脱出時に生じる中央銀行の債務超過回避のための財政出動リスク、物価変動等のマクロ経済への影響を理論・実証分析する。⑥ゼロゼロ融資などコロナ関連の金融融資の政策効果を実証的に精査する。また、コロナワクチン接種の実態を分析して、非常時の政策対応における社会規範の役割を検証する。
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