| 研究課題/領域番号 |
24H00148
|
| 研究種目 |
基盤研究(A)
|
| 配分区分 | 補助金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
|
| 研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
國部 克彦 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (70225407)
|
| 研究分担者 |
竹中 毅 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (70396802)
鈴木 竜太 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80295568)
栗木 契 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90294397)
山田 仁一郎 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (40325311)
川上 智子 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (10330169)
吉田 満梨 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (30552278)
天王寺谷 達将 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (60709773)
Weng Yiting 神戸大学, 経営学研究科, 助教 (50975381)
SUN QI 神戸大学, 経営学研究科, 経営学研究科研究員 (30989041)
伊藤 智明 横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (30812143)
田路 則子 法政大学, 経営学部, 教授 (00322587)
山口 みどり 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (80408301)
須貝 フィリップ 同志社大学, ビジネス研究科, 教授 (40350722)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
|
| 配分額 *注記 |
47,580千円 (直接経費: 36,600千円、間接経費: 10,980千円)
2025年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2024年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
|
| キーワード | エフェクチュエーション / 価値創造 / アントレプレナーシップ / マネジメントシステム |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、経営学の基礎概念を確立したH.A. Simonの理論からの強い影響を受けた2つの研究潮流(組織科学およびアントレプレナーシップ研究)の統合的な理解を通じ、新たな価値創造という不確実性を伴う問題解決を促進するマネジメントシステムのデザインを研究し、実践知として提案することである。研究目的達成に最適な、多様な専門性を持つ研究者でチームを編成し、理論的検討とフィールド調査に基づき、新たな価値創造を支援する組織プロセスを解明し、さらにその有用性を企業・組織とのパートナーシップに基づいたアクションリサーチにより検証する。 また、海外研究者と連携し、国際共同研究の研究成果の発信にも取り組む。
|
| 研究実績の概要 |
「a.) Simonの前期/後期の研究接合を軸にした理論的検討」では、Simonのシステム論の中心概念である人工物の設計について、システム境界の問題に着目して、エフェクチュエーション、人工物科学、サービス工学を統合する研究フレームワークの構築を行った。さらに、エフェクチュエーションプロセスにおける起業家の内面に関する理論的考察を行い、人工物を創造する動学モデルの改善可能性を検討した。 「b.) 新たな価値創造を支援する組織プロセス解明のためのフィールド調査」では、調査対象の選定および一部フィールド調査を行った。具体的には、オムロン、大日本印刷、本田技研工業などの大企業おける価値創造支援の実践について、文献調査やインタビュー調査を実施した。オムロンに関しては、その成果を日本ベンチャー学会全国大会にて報告した。また、連続起業家に対する長期間・縦断的調査を行った。 さらに、同志社大学の須貝フィリップ教授を研究分担者に加え、同氏が同志社大学社会価値研究センターで開発した「バリューモデル」に関する研究を行い、調査研究内容の拡充を図った。 「c.) 産業界と連携した価値創造プロセスの検証のためのアクションリサーチ」では、PwCコンサルティングと共同研究を行い、課題及び目的を共有して、調査対象企業を選定し、一部企業でインタビュー調査を実施した。 「d.) 国内研究成果の海外での実証と国際的な成果発信」では、Alex Wright教授(Audencia Business School)と、戦略面から見た判断の意味を再検討することで価値創造の新たな展開を研究し、2025年度にSaras Sarasvathy教授(University of Virginia)を招聘する準備を行った。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、エフェクチュエーションによる価値創造プロセスを理論と実際の両方の側面から研究するものであるが、理論面では、Simonの理論とSarasvathyの理論を中心に、システム境界の拡充を考える研究フレームワークを構築することができた。この点は経営学と工学の学際的な協力関係の下で研究を進めており、順調に進捗している。また、価値創造プロセスにおける起業家の内面の分析を通じて、エフェクチュエーションの動学モデルのドライビングフォースを解明する方向性についても展望が開けるようになった。 さらに、同志社大学社会価値研究センターが開発した価値創造に関するバリューモデルを新たな研究対象として取り込むことで、価値創造研究の幅が大きく広がった。今後は、バリューモデルをひとつの基準としながら、価値創造プロセスの実際を分析できるようになる。また、フィールド調査やアクションリサーチについても、新たな価値創造を支援する組織プロセスを解明するフィールド調査を複数実施するとともに、アクションリサーチのための事前準備も順調に進めることができた。 海外の研究者と連携した国際的な成果の発信については、Alex Wright教授との共同研究論文が2025年のAcademy of Managementの年次大会で採択され、順調に進んでいる。
|
| 今後の研究の推進方策 |
「a.) Simonの前期/後期の研究接合を軸にした理論的検討」では、2024年に検討した研究フレームワークをさらに発展させて、経営学、工学、人間科学を含む領域融合的な視点からの研究に取り組む。エフェクチュエーションのための組織構造がデザインされるプロセスについて、Simonの前期の研究である組織的意思決定の研究と、後期の人工物の科学の研究の接合可能性を検討する。 「b.) 新たな価値創造を支援する組織プロセス解明のためのフィールド調査」では、2024年度に実施したフィールド調査を継続し、その成果の一部をEGOSのコロキウムで報告予定である。大企業の研究開発プロセスおよびスタートアップの企業プロセスについても研究を進め、2024年度の実施した連続起業家に長期間・縦断的調査の成果を論文にまとめる予定である。 「c.) 産業界と連携した価値創造プロセスの検証のためのアクションリサーチ」では、PwCコンサルティングと協力し、積水ハウス等の企業の調査を実施する。また、バリューモデルの起業への導入を目的にしたアクションリサーチについても、開始していく予定である。バリューモデルの汎用性を高めるために、バリューモデルの評価方法にAIを導入する研究も行い、その成果の一部をAPIRA学会で報告する予定である。 「d.) 国内研究成果の海外での実証と国際的な成果発信」では、Alex Wright教授との共同研究成果をAcademy of Managementの年次総会で報告するとともに、バリューモデル研究の進捗状況を同志社大学で開催される国際カンファレンスValuism Conferenceで報告する。さらに、Saras Sarathvathy教授を日本に招聘し、本研究の内容について討議を行う予定である。
|